妊についてのインフォメーションを、メトロバスの中のテレビで夕方に堂々と放映している。

私が乗っていたのは15,20分くらいだったろうか。その間、テレビはずっと避妊の方法などの映像を流していた。


日本だと、タバコのCMと同じで避妊具だとか妊娠検査薬のCMは夜にしか流さない。

だけど、メキシコは夕方の学生も溢れるメトロバスの中での堂々の放映。

望まぬ妊娠、未婚の母、育児放棄、虐待など負の連鎖が後を絶たない国の、対策の一つなのだろうか。


そもそも、この国には本来「中絶」という選択肢がなかったし、今はたしか州によって許可されていたり禁止されていたりだけど、許可された後でも、やはり宗教的・慣習的に中絶という選択を許さない人が多いので、望まない妊娠でも産み、未婚の母となる若い女性が多いのだと思う。

つまり、いくら望んでいなくとも、いくら彼氏が逃げてしまったとしても、妊娠したら産むしかない、という考えが深く浸透しているんだと思う。

また、話はそれるけど、まだまだ田舎のほうでは保守的な人が多く、例えば流産で子どもを失った女性に対しても、「本当は堕ろしたんじゃないの?」と村八分のようなことをする人もいるらしい。


そんなメキシコでのインフォメーション、この国のそんな考えを前提にしたインフォメーションであった。

映像はアニメーション形式で、絵もコミカルな絵。だけど、訴えかけていることは切実な内容だ。


「妊娠しちゃったら、せっかくのあなたの人生を楽しむ代わりに、オムツを替えなきゃいけないよ!」


と、いろいろな「良いこと」「楽しいこと」の代わりに、「オムツを替えなきゃいけないんだよ!」とオムツの絵で画面が埋め尽くされるのだ。


もう一度言うけど、絵はコミカルなんだけど切実過ぎる、リアル過ぎる。

私がメキシコにいて、メキシコの社会問題の一つとしてよく考えているのが「未婚の母の多さ」であるため、このメトロバスのインフォメーションに釘付けになってしまった。

他の人はもう当たり前の映像なのだろうか、注意をひくこともなかったようだ。


未婚の母が多いのは、相手が逃げちゃったりだとか、レイプだったりとか、そういういろんな事情なんだと思う。

レイプや虐待みたいな犯罪は別として、さらにその前の問題には、避妊・妊娠の知識がないということなのだと思う。


ちなみに日本の性教育。私が覚えている授業の中で、とてもショックだった内容。

だけど、この内容で絶対に望まぬ妊娠はしてはいけないし、自分の体を大事にしていこうと強く思った。

それは中絶手術の仕方の内容だった。どんな器具を使ってどういう風に手術をするのか。いろんな器具の写真を実際に見て、子宮の中でどんなことをするのか習った。恐ろしい内容だったけど、先生は私たち生徒を間違った道に進ませないように、事実を教えたんだと思う。


日本とメキシコ。それだけじゃなく、世界中で、望まぬ妊娠なんかしないほうがいいに決まっている。

だけど、その防ぎ方としての教育内容は様々だ。

日本は、中絶手術はこんなにつらいことなんだよと教え、体への負担とその恐怖を教えて予防する。

メキシコは、望まぬ妊娠だった場合、子育てで楽しいことが出来なくなっちゃうんだよと教える。

正反対。


日本が矛盾してるなと思うのは、避妊具や妊娠検査薬のCMを子どもがみないように夜にしか放映しないとかなんだけど、薬局やコンビになどに行けば手ごろな値段で簡単に手に入ってしまい、それ故に性の若年齢化が進んでるんだと思う。


そしてメキシコ。

そのメトロバスのインフォメーションでは、コンドームは手軽に持ち歩ける便利なものなので、必ず使いましょうというような内容だったけど、この国で買うには値段も高いし店員さんに言わないと取れないようになっていたりで、なかなか思春期みたいな人には買いづらいと思う。

それ故に、避妊しない若者が多く、望まぬ妊娠につながってるんじゃないかと思う。


私が一緒に働いているメキシコ人の男の子。23歳。

見た目はもっと若く見えて、茶目っ気たっぷりのとてもかわいらしい青年。

長女は6歳、次女は3歳。一人前のお父さん。

この国の未婚の母の多さを目の当たりにしている中で、彼の事実に驚いた。

思わず「よく逃げなかったね・・・」と言ってしまった。



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ァイナンシャルプランナーでもカリスマ節約主婦でもないので家計を公開するのはいかがなものかと思うが、この恐怖の電気代は高すぎて他人事のようにしか自分でも感じない。


電気代は2ヶ月に1度請求書がくるため、2ヶ月分を1度に支払う。

うちの電気代は時を追うごとに上がり、ついに今月は4,000ペソとなった。2ヶ月で4,000ペソ。

高すぎてひっくり返るかと思った。


毎回上がる料金を目の当たりにし、自分たちが使いすぎているのだと節電を心がけた。

しかし料金が上がることに歯止めはかからず、ついに1,000ペソ台になった。

それが2,000ペソ台、そして3,000ペソ台になり、今回ついに4,000ペソとなった。


あの時電気つけっぱなしだった、寒かったからストーブ買ったもんね、等々いろいろ論議したが、電気つけっぱなしもストーブもやめて、電気量は減ったと思いきや急激な高騰。


そもそも、仕事を始める前と仕事を始めてからじゃ日中の電気の使用量が違う。

仕事を始めてからの方が減ってもおかしくないのに増えてる。

しかもものすごい勢いで。


漏電か。

もしくは電気を盗まれているか。


知人に聞いたら、知人は電気代2桁。しかも70ペソくらいとのこと。

これは、何か細工をしたかららしいんだけど、その知人の住んでるマンションのみんなそんなもんで、30ペソ台の人もいると。

なんなんだこの差は・・・。


今の家に不満続出の今日、この電気代も私をイライラさせる。


次回の電気代が上がっていたら、ちゃんと調べようと思う。

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外志向の学生が少なくなってきたと、昨今の日本で聞くことがしばしばある。

とはいえ、それでも留学、海外進学、海外での就職と、日本の外へ目を向ける人も少なくはない。と私は思う。


保守的な学生が増えたのか?


なにはともあれ、私は超保守的な学生だったし、今でも人間タイプとしては保守的だ。

そんな私は、そもそも自分の超中途半端=日常会話もままならないような英語やスペイン語で、海外で働くなんて天と地がひっくり返るほど無理な話でおかしな話だと思っていた。


今の生活を想像すらできなかった。


しかし、怒られ、葛藤し、気を使い、機嫌を伺い、文化の違いに衝突し、時には社内のメキシコ人に対してすら疑心暗鬼になり、心が乱れない日などない今の日常において、得るものはすごく多いと思う。

「あなたはとってもラッキーなチャンスを手に入れた」ひとからそう言われると、自分でもそうだと思う。


だけど、お姉ちゃんもぶちあたっていたある波。

私もそろそろその第一波がやってきた。


友人の結婚だ。


帰国できない。もちろん結婚式を平日にやるわけはなく、土日などの週末・祝日なので私ももちろん参加したいところだが、その時だけ帰ることができない。

土曜日に結婚式だったら、木曜日には帰らないといけない。


ただでさえ、体調を崩したり年末にお休みを頂いたりして、実のところ内輪のメキシコ人に嫌味を言われてしまった。

それだけじゃないけど、どうしても休めない・・・・。


海外で得るものは大きい。


だけどその代償も、大きいのだということを実感。


私は結婚が早かったので、自分の結婚式には来てもらっている友達。

だけどその友達の式に行けないことが、本当に申し訳ないし、残念。


この残念を無駄にしないためには、強くここでしっかり根を張ること。

負けないで、強くあること。

何も後悔しないこと。

今が人生で一番楽しい時であること。

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