日本銀行は3月21日に量的緩和を実施しました。量的緩和というのは聞き慣れない言葉ですが、これまでの金融緩和とどう違うのでしょう。 日本の金融政策は日本銀行の金融政策決定会合で決められます。今回の量的緩和は3月19日に開催された同会合で決定されたものです。日本銀行の金融政策の変更方法には①誘導金利の変更と②量的変更があります。これまでの金融緩和は誘導金利の変更によって実施されてきました。つまり、コールレート(金融機関が相互に短期間の資金を貸借する時の金利)の誘導目標を決定し、それを達成できるように日本銀行が金融市場へ供給する資金の調節を行うという方法です。 一方、今回の量的緩和は誘導金利の目標は設定せず、金融市場に供給する資金の量を増やすものです。つまり、日本銀行は、金融市場が必要としている量を上回る資金を供給することを決定し、実際にそれを実行しました。結果的には金利は低下し、コールレートはゼロ%付近となりゼロ金利政策に復帰したというわけです。