以前のことですが、何をやっても空しいと言うか、満たされない時期がありました。
例えば、好きなお洋服を買っても、行きたい所に行っても、美味しい物を食べても、友達がいても、家族がいても、何か満足出来ないと言うか満たされる事がなくて、もっとアレが欲しい、コレがしたいと思っていました。

ですので、次から次へと買い物をしてみたり、遊びに行ったり、いろいろセミナーに顔を出したりしていました。
ですが、結局何をやっても、満足する事がなかったのです。

そんなおり、ふと朝目覚めて窓の外を見てみると、一羽のスズメが花をつついているのが見えました。
スズメは、単に花のミツを吸いたいだけだったのかも知れません。
しかし、スズメは満足したのか、やがて飛び立って行きました。

その時、ふっと気付いたのです。
「果たしてグルメのスズメがいるのだろうか?」

そうなんです。
花のミツを吸える事に満足せず、「もっと美味しい物が食べたい」などと言うスズメって、いないのです。

振り返って我が身の事を考えると、どうも食事が出来る事だけに満足していない自分がいるのを感じました。
考えれば、三度の食事が出来るだけでも、充分幸せな事なのです。

その事に感謝をするでもなく、「もっともっと」と本能の欲するままに考え、行動していました。
そして、生きて行けるだけの食事が出来る事に、感謝の気持ちが湧くようになり、それからは今の幸せを実感出来るようになったのです。

これを「足るを知る」、と言う事だな」と、思ったのです。
あとで知ったのですが、仏教用語に「足るを知る」と言う言葉は、実際にあるそうです。

ですので、ずっと以前から同じように日常に満足出来なかった人で、ふとしたキッカケで気が付いた人がいる、と言う事なのですね。
ようするに、欲がなく、謙虚に、感謝して日常生活を送って行ければ、人間幸せになれると言う事なのでしょうね。