一つ前のアメンバー記事を抽象的に書きます。

我が家はいま、身動き取れないところにいます。

たとえば、息子がレギュラー取ってしまうと、レギュラーから外れる子が必ず出てしまう。

その子はきっと悲しいし、保護者も悲しい。

わたしも、それを知ってる。だから、いったいどんな顔をしてその子や保護者に接したらいいのかわからなくなるとおもう。。

たとえば、息子が地元を離れて越境してしまうと、地元で息子を必要としてくれてる家庭が悲しむ。
 
一緒に剣道やりたい、て思ってる子達は、がっくりきてしまう。

お世話になっている人の期待に応えないのは、心苦しい。

息子の剣道がここまできたのは、道場の館長のおかげです。

それなのに、館長の思いに応えないのは、恩知らずです。そんな恩知らずに、わたしはなりたくないし、息子にもならせたくない。

息子がもし地元を離れてしまうと、一番大切な家族が寂しい思いをする。

兄弟はほんとに仲が良くて、父親も次男のことが大好きなのに、離ればなれになるから。

息子は剣道が好きで、おそらく天分も持ってるから、それを伸ばさないのは剣道の神様に申し訳ない。

でも、剣道に邁進すると、少なくないものを喪うことになる。

兄は剣道より勉学を取った。一線に立つには、両方は無理です。

いろんな人に必要とされるのは、
嬉しいしやりがいがある反面、
体が裂けるような決断を伴います。
 
地元の子達も大事、
道場も大事、
剣道も大事、
家族も大事、

できるだけたくさんのものを大事にしてきたから、次男にはたくさん居場所があるのは良いことです。

ただそのぶん、選択がいろんなところに重く受け止められて、何をどうしたらいいものか。体は一つしかないし。


突き詰めるともっと、私利私欲のようなどろどろしたものや、親のエゴや、周囲のエゴがあるんですが、

身動き取れないのはこんな感じです。
 
ここで、次男の雰囲気について。

稽古は嫌がらずやりますが、稽古以外にYouTubeも試合動画を見たり、全国の選手の情報を探ったりするような熱心さは、実はありません。サッカーしたいしたいとずうっといってた時期もありました。

今回の越境も、「そこまでしなくても、地元でいいよ」ていう感じです。

次男は試合に負けて泣くことがほとんどありません。
いつも飄々としてます。

自分で強くなりたくて稽古してる、ていうより、
稽古してたら気づいたらかなり効率よく強くなってた、というのが親として正直な気持ちです。

まだ小学生で、自分の人生の重要な選択を自分でできるほど賢くもなく、意志も強くなく、しっかりしているわけでもありません。見た目もあどけない幼い顔してます。

前に、休みの日に急に大きな試合のピンチヒッターが回ってきて、本人はゆっくり休日を楽しむつもりでいたので、試合に行くのを嫌がって大泣きして、廊下にボタボタ涙や鼻水を落として泣いたことがあります。あのときは三十分ぐらい、「みんなが困ってるときは助けてあげようよ」と説得して試合に引きずっていきました。

そして無理矢理出したその大会では、先鋒で出てあれよあれよと勝ち進み、決勝をあっさり二本勝ちしたりして貢献し、周囲のほうが驚いていました。

次男は、どちらかというと、意志が強くないほうです。
簡単なほうに流されます。

でも、今まで十回ぐらいは代決勝負に出ましたが、一度も負けたことがありません。見ている親が吐きそうなほど緊張する場面で本人は何をどう考えて試合をしているのか、少なくとも、「絶対に勝つ」ていう意志よりも、上手く流れに乗り、紙一重の差を上手につかんでいるかんじです。

こんな感じなので、次男に直接「中学どこ行きたい?」て聞いたとしても、「んー別に地元でいいよ」ていう感じでこだわりが全然ない感じです。

これがもし、

「越境してレギュラー争いでみんなに緊張感を持たせて、僕自身もレギュラーを絶対取るつもりで頑張りたいし全中も出たいからぜひ越境させて」とかいうてくれるなら喜んで越境させます。

あるいは、

「ぼくは地元の仲間を引っ張ってまとめあげて、みんなを大きな舞台に連れてってあげたいから、絶対地元に帰る!」とかわたしを説得するぐらいなら喜んで地元に帰します。

でも、残念ながら本人はたぶんそんなタイプではなく、受け入れ上手で、上手く流れに乗るだけでここまで来てる子なのです。

だから、親としてはどうしてあげたらよいか迷うわけです。
なにが本人が受け入れるにあたって最善なのやら。

ちなみに高校は、九州学院に行きたいそうです(笑)。