お隣さん 櫻葉編です。
BL含みますのでご注意下さい。





全身で  翔ちゃんを
感じようとしていたから、なのか。


神経が…
研ぎ澄まされていたのかもしれない。


誰もいない、と思っていた
隣の部屋から

微かな  物音とため息のような声が
オレの耳を…かすめた。



え……?

ちょっと待って?



その事を 翔ちゃんに伝えようと
潤んだ瞳を 向けたけれど。

翔ちゃんは…
容 赦 なく突 き上げてきて。


オレは

壁の向こう側に 意識を残しながらも…


中から の 刺激 と

翔ちゃんの手で
擦り上げられ…

与えられ 続ける 悦 楽 に
声を 抑えきれずに

イ って…しまった。



ほぼ 同時に…

オレの 中で 
熱いモノが 放たれた 感覚。


朦朧とした意識の中で

微かに…聞こえる

独り言のような喘 ぎ。


「っ…イ、クッ……あ…」


あぁ…向こう側でも…

オレ達と一緒に…イ ったのかな?


なんて…妙に、冷静な自分が  おかしくて。
ちょっと、笑ってしまった。

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オレは、まだ見ぬ隣人に

チョットだけ  親近感を覚えていた。




お隣とは未だ 顔を合わせる事は 無かった。

…どんな人、なんだろう。

興味はあるものの
こちらから訪ねる理由も無くて。


あれから  3日が経っていた。


窓の外に 干されていた 洗濯物に
オレと 同じ ボクサーパンツを見つけ


(あ、お揃いだ!)

なんて
なんだか  嬉しくなった。




買い物から 戻った オレは
ギシギシと音を立てながら

錆びた手摺の付いた 階段を上っていた。


オレ達の部屋は、一番奥にあり

その、一つ手前の
オレが 勝手に親近感を持っている
まだ見ぬ 隣人のドアの前で


そっと

『こんにちは』

とつぶやいてみた…



その時  勢い良くドアが開いた。




つづく

2015.2.16    miu