(記事テーマ 優愛に出会ってからのシックスセンス管理人
略して、AMM:After meeting Master of UI )
霊道。Road of the ghosts。
その名の通り、死者の道です。
先日の東京・浅草でのフィールドワークでも十二分に体験して頂いた霊道ですが、死者(=霊体)はある種の放射性物質である冷気を発しています。その死者が多く通る道の周りは、温度計で測っても、1℃も気温は変わっていないのに、なぜか生身の人間には冷んやりと感じる場所や空間になります。
死してなお、生き欲がある霊体が通る「路」でもあるので、この霊道が通っている家はある種、異常な寒さがあります。そして、生命エネルギーを僅かづつでも抜いていかれる事もあり、寝ても寝ても疲れが取れなかったり、原因不明の眩暈や耳鳴りや吐き気が伴う事もあるのが、霊道です。
現実の世界でもいろんな道があります。大きな道もあれば狭い道もあり、車や人の流れが多い道もあればそうでない道もあります。見えない世界の道である霊道も同じです。
この霊道の数が、これまでの依頼先の中でも群を抜いて多かった家があります。まさしく無数にあったのです。
その日は、依頼先のお宅に上がり説明しながら、体験してもらいないながらのご依頼でした。いつもの通り、依頼者のお宅の前でその家にいる見えない存在たちの動きを止めていました。体験してもらう為、やつらが逃げ惑わないようにする為でもあります。
家に上がってすぐに、異常な寒気が殊更、異常であると感じました。霊気が半端なかったのです。神事や宗教を一生懸命にやっている依頼者なのかと最初は思いましたが、一部屋ずつ綺麗にしていく中で、そうでは無い事がわかってきました。霊道を消したとしても、霊道を移動したとしても、結界を張っていった部屋とは違うところにどんどん大小の霊道が出てくるのです。依頼を進めていく程に、霊気が集約して強大になっていったのです。とうとう、最後の部屋になり、残すはこの部屋だけという時に、私は今思い出しても鳥肌が立つほどの存在を眼にする事になりました。今ならば余裕で対処できると思いますが、当時の私はそれを消し去り葬るまで現実の時間で1分、見えない世界での時間では何日もかかったのです。その存在はそれ以降一度も目にしてはいないのですが、妖怪化した霊道だったのです。言葉でどのように表現したら適切なのかは今でも定かではありませんが、本体を消しさらない限りは木々や植物の根っこのように、消しても消しても伸びてくる霊道でした。
あれだけ酷い状況でもよくぞ優愛に辿り着いてくれた、そして依頼する事を決心してくれたと、今でも思います。病弱でいつも生気の無かった3人の子供たちは今では元気だと聞いております。常に体調が悪かった奥さんも今では以前よりも活発に動いているそうです。忘れる事のできない、記憶に残る依頼先はいっぱいありますけれど、その1つがこの家の霊道を伸ばす妖怪です。
ご依頼後、無事に依頼が終わりました、と師匠に電話報告をしました。そして、その依頼が完璧にこなせているかどうかを確認してほしいです。チェックして欲しいですと、伝えようとしました。
が、それを伝える前に師匠が言ったのです。
妖怪がいたんだろう?珍しいやつだよな。
はい、抜け(手落ち)はないですか?ちゃんと全部消せていますか?
と、私が言い終わる前に、師匠が一言。
なんかようかい?
おつかれさん!
大丈夫だよ。良く頑張ったな。
と。
(師匠、流石です)としか思えない、本当に記憶に残る依頼でした。
この霊道について、いつ最初に師匠に質問したのか今となっては覚えていませんが、私がなぜ霊道や念道があるのですか?と訊ねた事があります。
その時の答えはこんな感じでした。
野山に獣が通ると、そこに道ができるだろう。獣道と呼ばれているよな。それと一緒だよ。
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