さんたく!!!朗読劇「羊たちの標本」、再演も無事務め上げることができました。
最後の挨拶で部長の平川さんも仰ってましたが、このコロナ禍の中、上演に漕ぎ着けることができましたのも、制作スタッフの方々、そして何より、配信をご覧になって下さいました皆様一人一人のご支援のお陰にほかなりません。
改めて、厚く御礼申し上げます。
本当に有難うございました。
新規メンバーを交え1回限りの上演でしたが楽しんでいただけましたでしょうか?
僕は楽しかったです(笑)
もともと一度きりということで、最初から開き直って作り直したせいもあったのでしょうが芝居の方向性は割と早い段階で決まってました。
それが皆様に上手く届いていれば嬉しいです。
新規のメンバーのお三方は本当に大変だったと思います。
基本的にはアウェースタートな上に稽古もなく通しはゲネリハ1回きり。
文字通り数少ない中でキャラも芝居もすり合わせて行くのはかなりの恐怖です。
それでもあそこまで上げてくるんだから本当に感謝ですね。
前回メンバーはそれぞれが上積みをみせてくれて大いに刺激と元気をもらいました。
そういう変化を楽しみながら演じられたのも新鮮でしたね~。
部長と土岐くんのラストのやりとりは何度聴いても飽きが来ないのですが、今回は特に。
個人的に、この土岐隼一がすごい2020に勝手に入れたのがスケッチブックをオオカミに見せたくだり。
あれだけボロ雑巾になったオオカミがすぐ目の前にいるのにあれですよ。
羊の目線が完全にスケッチに移ってるのが浮かんでゾッとしました。
ああ、神様ってこういうものなんだな、と。
人間の思う愛情とは文字通り次元が違う。
あまりの衝撃に、聴き入りながら飲んだ水が気管に入って、あやうくすべてをぶち壊すところでした。あぶねー。
後で本人に聞いたら「自分が生み出した全てのものを愛してるんです」と言われ腑に落ちました。
「自分だけを愛して欲しい」側からしたら全てに等しく与えられる愛は苦痛でしかないし不幸です。
多分、輪廻の輪の中でオオカミ達が苦しみながら探し求める部分ってそれですから。
どれだけ神からの愛を求めても決して満たされることはない。
なぜなら既に神の愛は、世界という形で存在しているから。
自分たちのいる「世界」が何で出来ているかなんてわかります?
わかったところでそれが自分たちの求める形での愛なのか・・・。
ただ、もしかしたらその気づきこそが、オオカミたちの救いに繋がるひとつのきっかけなのかもしれません。
そんなこんなで長く短い夢ノ渕院での時間は終わりました。
やはりこういう芝居は愉しいですな。
いつかまたこの場所に帰ってこられることを願って。
ではでは。