—本当、いつになったら、忘れられるんだろな…







暑い中歩いてると、時々、思う。あの時、手を離さなければ、何か変わったのか…






彼女に出会ったのは、彼女からの突然誘い文句が最初だった気がする


『私と付き合いませんか?』


俺は、持っていたペンを落とした。だって、そうだろ?
初めて、話しかけられた内容がこれって…。



彼女は、同じ授業を幾つか取ってるらしく、よく授業の前の方に座って、一生懸命黒板を見つめていた。廊下で、すれ違った事も、何度かあったかもしれない。兎に角、俺が持ってる彼女のイメージって、そんなもんだった。なのに…


「良いよ」


なんで、俺が、そう答えていたのか…今でも、よく解らない
俺の口は、気づいたら、言葉を紡ぎ出し、目の前には、嬉しそうな彼女の笑顔があった





それから、彼女に貰ったものは、とても多くて、彼女の傍に居る事さえ出来れば、それで良いんだと思う程に、俺は彼女に墜ちていった
そして、ずっと、こうして居られると、馬鹿みたいに信じていた


でも、現実は違って…







「寿命は…」


なぁ、なんで、こんな話してんだよ。おかしいだろ?
…冗談…だろ?
だって、この前まで、俺の横で、普通に笑ってたんだ。なのに、なのに…


「ごめんなさいね、先週の月曜日は起きてたんだけど…」


なんで、目を覚まさないんだよ。止めてくれ。


「そう…ですか…」


早く、目を覚まして居ないのは、彼女じゃなくて、俺だって言えよ。言ってくれ!!!
頼むから…
早く、悪い夢から、俺を起こしてくれよ



「じゃあ…また来ます」

「ごめんなさいね…起きたら、連絡するから」

「お願いします。俺にとって、彼女は生きる意味なん…すみません、おこがましい…ですよね…」

「そんな事無いわよ。あれも、大切に思ってたみたいだから。…実は、連絡しなくちゃって思って、携帯見ちゃったんだけど…あなたからのメールばかりで。専用のフォルダーまで作って…」



なんでだろうな…。嬉しくなる筈なのに、胸が痛い。
なんで、こんなに近いのに、こんなに遠い…
なぁ、早く、声が聞きたいよ








それ以来、何故か、彼女は俺から、距離を置いた。理由も告げず。幾らメールを送っても、返信は、いつまで経っても無くて、家も留守のままで…。そのまま、連絡を取る事も出来なくて…。暫くして、彼女が遠い場所に行ったと、噂で聞いた。






「なぁ、あの時、俺が…」


今でも思う。彼女の傍に、どんな事があっても、居続ければ、何かかわったのか…
幾つもの恋を経験し、大人になった今でも
あの、雲の向こうに、俺は、彼女を求めてしまう
それが、間違いだと知ってるのに…




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現実か不現実かは、明言しません
自己満な為、文章下手で、すみません


BGM:『JUST BE FRIENDS』