- パリの虐殺・エドワード二世 (1980年)/クリストファ・マーロウ
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
エリザベス朝劇作家 クリストファー・マーロウ。
「名前だけは聞いたことがある」という方が多いかもしれませんねー。
『恋におちたシェイクスピア』にもマーロウ、登場していましたし
ウィルがこの名を名乗っていました。
しみじみ、アメリカやフランスや、ロシアの戯曲よりも
イギリスで、エリザベス朝の戯曲が好きなんだなぁ・・・・・・と感じました。
フレッチャーとシェイクスピアは共作が多いし、やっぱり似てるなぁという印象。
そして、このマーロウも比較的シェイクスピアと似ている気がします。
シェイクスピア好きだったらマーロウもお好きじゃないかなー?
そもそもシェイクスピアは、マーロウの『タンバレイン大王』の成功に影響を受けて歴史劇を書いたと言われていて
一方、マーロウはシェイクスピアの歴史劇に誘発されて『エドワード二世』を書いたと言われています。
『ヘンリー六世 三部作』には『タンバレイン大王』っぽい台詞が多いんですって。
(まだ読んでないんですが。)
お互いに影響を与えてきたみたいですね(*^-゚)v
さてさて、
松岡和子『深読みシェイクスピア 』で『パリの虐殺』が取り上げられていて、気になって読んでみました。
どうやら、シェイクスピアの『恋の骨折り損』と登場人物とかが被っているみたいで。
- 恋の骨折り損 シェイクスピア全集 〔9〕 白水Uブックス/ウィリアム・シェイクスピア
- ¥767
- Amazon.co.jp
- 恋の骨折り損 シェイクスピア全集 16 (ちくま文庫 し 10-16)/W. シェイクスピア
- ¥924
- Amazon.co.jp
『パリの虐殺』は、マーロウでもっとも短い戯曲だそうです。
聖バルテルミの祭日に起きた、ユグノ-虐殺事件を扱っています。
・
『エドワード二世』のほうは、この間映画『エドワードⅡ 』を観ました。
重要なセリフはしっかり映画化できていたみたいですね。
でも、映画だと原作の終盤に重要となる王子の存在が薄いかも・・・・・。
・
・
いきなり最後で恐縮ですが、
エドワード王が殺される場面。
・
「よし、テーブルを置いて、上から踏んづけるんだ。」
と言って、殺しているのですが・・・・・・
え、なに、その殺し方。
イメージ像が浮かばないのですけれど・・・・・
そして映画はどうだったか記憶にないし(涙)
・
エドワード王は、ギャヴィストンを愛しすぎて不幸が襲うわけで。
愛しているからこそ、ほどほどにすべきだったのにね~・・・・。
・
余は王なのだ!王だから、なんでもやっていいんだ!
という考え方の人。
愚か・・・・・・・・。
・
「海が我が領土を水浸しにしてしまうがいい、 あんた(ギャヴィストン)を国外へ運び出す船を浮かべるくらいなら」
とまで言っちゃう、最低な王。
王妃はほったらかしにされて、かわいそうでかわいそうで!
この王妃は「かわいそう」じゃ終わらないのですけどね。
やっぱりこの描き方は上手いな。
・
この二人の間の王子が、なんだっけ、ピョートル三世とエカテリーナ二世の息子、ペーヴェルと何となく被る。
あ、「なんとなく」で、単にイメージですよ。
やはり子供って・・・特に男の子って・・・・こうなっちゃうんでしょうかなぁ。
私が読んだのは、千葉孝夫訳の北星堂イギリス古典選書のもの。
このシリーズは全8巻で、アーサー・ブルックの『ロウミアスとジューリエット 』もこれでした。
・
シドニー・リーの『リア王年代記』、トマス・ロッジの『ロザリンド』、ロバート・グリーン『パンドスト王・いかさま案内・他』のようなシェイクスピアの種本になったものもあります。
(ロミオとジュリエット、リア王、お気に召すまま、冬物語) このあたりは全部読むつもりです。
そうよ、こういうものの翻訳もどんどん出していくべきだよね!
トマス・ナッシュまであるんだからすごい!えらい!
- エリザベス朝演劇集〈1〉/クリストファー マーロー
- ¥3,059
- Amazon.co.jp
こちらは小田島雄志訳の『マルタ島のユダヤ人 』(『ヴェニスの商人』の元ネタ) 『フォースタス博士 』(ファウスト伝説) です。
個人的には、こっちのほうが面白かったかなー?
年末のベストブックにも選んでます。
リンクも一応貼っときますね。