パリの虐殺・エドワード二世 (1980年)/クリストファ・マーロウ
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エリザベス朝劇作家 クリストファー・マーロウ。


「名前だけは聞いたことがある」という方が多いかもしれませんねー。

『恋におちたシェイクスピア』にもマーロウ、登場していましたし

ウィルがこの名を名乗っていました。


しみじみ、アメリカやフランスや、ロシアの戯曲よりも

イギリスで、エリザベス朝の戯曲が好きなんだなぁ・・・・・・と感じました。


フレッチャーとシェイクスピアは共作が多いし、やっぱり似てるなぁという印象。

そして、このマーロウも比較的シェイクスピアと似ている気がします。

シェイクスピア好きだったらマーロウもお好きじゃないかなー?



そもそもシェイクスピアは、マーロウの『タンバレイン大王』の成功に影響を受けて歴史劇を書いたと言われていて


一方、マーロウはシェイクスピアの歴史劇に誘発されて『エドワード二世』を書いたと言われています。


『ヘンリー六世 三部作』には『タンバレイン大王』っぽい台詞が多いんですって。

(まだ読んでないんですが。)


お互いに影響を与えてきたみたいですね(*^-゚)v



さてさて、


松岡和子『深読みシェイクスピア 』で『パリの虐殺』が取り上げられていて、気になって読んでみました。


どうやら、シェイクスピアの『恋の骨折り損』と登場人物とかが被っているみたいで。


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『パリの虐殺』は、マーロウでもっとも短い戯曲だそうです。

聖バルテルミの祭日に起きた、ユグノ-虐殺事件を扱っています。

『エドワード二世』のほうは、この間映画『エドワードⅡ 』を観ました。

重要なセリフはしっかり映画化できていたみたいですね。

でも、映画だと原作の終盤に重要となる王子の存在が薄いかも・・・・・。

いきなり最後で恐縮ですが、

エドワード王が殺される場面。

「よし、テーブルを置いて、上から踏んづけるんだ。」

と言って、殺しているのですが・・・・・・

え、なに、その殺し方。

イメージ像が浮かばないのですけれど・・・・・

そして映画はどうだったか記憶にないし(涙)

エドワード王は、ギャヴィストンを愛しすぎて不幸が襲うわけで。

愛しているからこそ、ほどほどにすべきだったのにね~・・・・。

余は王なのだ!王だから、なんでもやっていいんだ!

という考え方の人。

愚か・・・・・・・・。

「海が我が領土を水浸しにしてしまうがいい、 あんた(ギャヴィストン)を国外へ運び出す船を浮かべるくらいなら」

とまで言っちゃう、最低な王。

王妃はほったらかしにされて、かわいそうでかわいそうで!

この王妃は「かわいそう」じゃ終わらないのですけどね。

やっぱりこの描き方は上手いな。

この二人の間の王子が、なんだっけ、ピョートル三世とエカテリーナ二世の息子、ペーヴェルと何となく被る。

あ、「なんとなく」で、単にイメージですよ。

やはり子供って・・・特に男の子って・・・・こうなっちゃうんでしょうかなぁ。


私が読んだのは、千葉孝夫訳の北星堂イギリス古典選書のもの。

このシリーズは全8巻で、アーサー・ブルックの『ロウミアスとジューリエット 』もこれでした。

シドニー・リーの『リア王年代記』、トマス・ロッジの『ロザリンド』、ロバート・グリーン『パンドスト王・いかさま案内・他』のようなシェイクスピアの種本になったものもあります。

(ロミオとジュリエット、リア王、お気に召すまま、冬物語) このあたりは全部読むつもりです。


そうよ、こういうものの翻訳もどんどん出していくべきだよね!

トマス・ナッシュまであるんだからすごい!えらい!



エリザベス朝演劇集〈1〉/クリストファー マーロー
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こちらは小田島雄志訳の『マルタ島のユダヤ人 』(『ヴェニスの商人』の元ネタ) 『フォースタス博士 』(ファウスト伝説) です。

個人的には、こっちのほうが面白かったかなー?

年末のベストブックにも選んでます。

リンクも一応貼っときますね。