シャミラ/朝日出版社
¥1,470
Amazon.co.jp

ついに!!読みましたよ、念願の『シャミラ』を!!!きゃ~~っきゃー

最近はやたらとイギリス文学のレビュー続きですねぇ。

まあ、言うまでもなく、イギリス文学が一番好きだからなんだろうけど。

『シャミラ』は、リチャードソンの『パミラ』  レビュー有り のパロディです。

パロディは色々あるのですが、やっぱり一番有名なのは『シャミラ』ですよねぇ、うん。

かなり有名な作品なのに、読書メーターでは誰一人として読んでいなかったという衝撃。

さらに読みたい本に登録しているのは、お気に入りメンバーさんばかりだという(笑)

ちょっとアマゾンをチェックしてみたら、なんと、10万円にまで跳ね上がってました☆☆


めちゃくちゃ面白い、『パミラ』。


面白いのだけれど、この「面白さ」というのはありえないからこその面白さ、突っ込みができるからこその面白さ・・・・が大きいと思います。


この『パミラ』を真っ先に指摘したのが、本書を書いたヘンリー・フィールディング。

『パミラ』は、中流階級の偽善的な仮面にすぎない、というのです。


そもそも『パミラ』っていうのは究極の玉の輿文学であって、元祖ストーカー小説。(勝手に命名)

ご主人様のB氏がやってることは、今だと完全に犯罪ですからね(笑)

そんな男に惚れるって何なの、だいたいそんな急に男も変わらないって!


など、私自身思うことはたくさんあります(笑)


何度も言うようですが、だからこそ面白いのですよ!



そんなパミラにリアリティを持たせているのが、『シャミラ』。

簡単に言うと、『パミラ』をすごいわぁ~~という手紙を送ってきた人に対し、実際はそんな物語じゃないんですよ、という手紙を送り、その証明としてパミラ、ではなく本名シャミラの手紙を同封する、という


書簡体小説となっています。


まず、シャミラはふしだら。

『パミラ』で褒め称えられていた彼女の内面の美徳は、全て作り上げられたもので、彼女の仮面に過ぎません。

ブービー氏に対して全く愛情を持っておらず、彼女が好きなのはなんとウィリアムズ牧師。

さらに、なんと彼との私生児がいるよう。

ブービー氏とはただお金が欲しくて結婚しただけなので、ブービー氏にも金をせびる。


パミラの母親も、オレンジに喩えられていることから身体を売っていたようです。



貞淑さが売りのパミラと、もはや処女ですらないどころか子までいるシャミラ・・・・・。

その子がどうなったのかは謎です。

それなのに、「操が何よりも大事なのです」とか言っちゃう(笑)


寝室で恥じらう乙女も全て演技。

顔を赤く染めるのは大変だったようで、息をつめて、ハンカチでこすってなんとか対応。


『パミラ』が出版される経緯としては、ブービー氏が本を作らせようと思い、またシャミラの「シャ」があまりにも滑稽な響きだから「パ」に変えて出版した、ということになっています。


彼らの後日談もちょこっと載っていたり、なかなか楽しめますが・・・まあ痛烈ですね~~!



でも、現実味があるのは間違いなくこちら。


絵に描いたような純真無垢な人なんて、一体どれくらいいるのでしょう。

パミラはちょっと異常だったもの。

恋の駆け引きを一切しない女の子なんて、いないんじゃないかな。

シャミラさすがにやりすぎですが。



トム・ジョウンズ〈1〉 (岩波文庫)/岩波書店
¥693
Amazon.co.jp

フィールディングと言えば、これで有名ですね。

訳は古いしで何度も挫折している作品・・・・・・。

諦めて原書で読むかなぁ。

でもさすがに全4巻の原書ってつらいよなぁ、1000ページ超えるよなぁ。

・・・・新訳を強く望みます。

ちくまか古典新訳文庫あたりで、出しませんか??


ジョウゼフ・アンドルーズ〈上〉 (岩波文庫)/岩波書店
¥798
Amazon.co.jp

お次はこれを読んでいきたいと思います♪


トム・ジョーンズの華麗な冒険 [DVD]/紀伊國屋書店
¥5,040
Amazon.co.jp

↑アカデミー賞受賞作品。・・・なのに、レンタル化していないのが残念。