アニメーター(CG含む)の教育 | CGアニメーターサバイバル

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前回、アニメーター(CG含む)は適性と才能が最も需要だという話をしましたが
その延長には教育は無駄だという仮説が立ってしまう為、そうじゃないという話です。



前回、例に挙げたのはスタジオジブリの宮崎駿監督の話です。



アニメ業界において、スタジオジブリという存在は実はかなり特殊で、普通のスタジオとは一線を画しています。
TVアニメを一切作らず、映画のみという会社はほぼありません。他には庵野秀明監督のカラーくらいでしょうか。



こういうスタジオでは、1コマ1コマに妥協を許さないようなハイクオリティな人材である必要があります。



一方、現在、放送されているTVアニメには、映画制作のそれとは違い、時間と予算の制約がかなり厳しく敷かれています。そこで必要になってくるのが大量の仕事量をスピーディに仕上げる人材です。



クオリティに関しては、監督の意向と予算にもよりますが
制作期間は放映スケジュールが決まっている為、ずらしようがありません。



そして、毎週30分という物量は圧倒的です!



この物量をこなす為には、とにかく大量の人材が必要です。才能のある人が数人いた所で、成り立ちません。アニメの視聴者としてはそれほど重要と感じないシーンだとしても、一本の作品にする為には必要なのです。



制作者としては、言いづらいところですが、そういう大量のカットにはある程度、
基本の技術だったり、知識で、充分だったりするカットもたくさんあります。



そして、そういう基礎的なことが出来る人材がたくさんいるということはアニメ制作にとって実はとても重要なのです。



上手いアニメーターは数が限られているので、演技力の必要なカットを任せたい。
しかし、人がおらず、上手い人が簡単なカットをやるようになったら当然、時間が割かれてしまい、全体としては、クオリティが落ちてしまいます。



教育によって、才能のある人を作り出すのは不可能ですが、人材の質の底上げというのは、教育によって改善できるわけですね。


才能のある人も大事ですが、教育で何とかなる部分も、とても重要だったりする訳です。