子供の頃に憧れたきな粉棒…。
私はお小遣いが無い子供だったので…お友達がこれを駄菓子屋で買えるのが、羨ましくて仕方なかった…。
月に300円でもいい…お小遣いというやつがありさえすれば…憧れのきな粉棒が買えたのに。
昨夜このきな粉棒を、コンビニで見つけた。
多分1本が20円位だと思う…嬉しくて。
思わず金持ちぶって箱買いした。
そんな私を不憫に思ってくれたのか、たまに父親がブラックモンブランという、アイスを買ってくれた。
ブラックモンブランは、めちゃくちゃ美味しい。
私はこのアイスが1番好き。
先日、歌舞伎町での事寄せ(亡くなった方のメッセージを筆書きで拾う作業。)を終えた後…事寄せしながら号泣したので、とても疲れた。
どうしてもブラックモンブランが食べたくてコンビニを何軒もハシゴしたけど見つからなかった。
それもそのはず…。
全国区だと思ってたブラックモンブランは佐賀県産でこの辺りにしか出回らない、ご当地アイスだった。
うちは貧乏だから…。
そういう理由で、沢山のモノを諦めさせられた。
子供心に、貧乏は辛い…大人になったら沢山働いて、いつでもお菓子が買えるようになりたい!
本気でそう思ってた。
が、しかし…。
今になって気づいた事がある…。
貧乏だと言われていたけど…我が家にはいつも新車が2台あった。
そして、1年くらいでまた違う新車が納車されていた。
スーツ姿のおじさんが、パンフレットを持って来て、リビングで父親が「次はこれを持っきて。」と、いうと…。
数日後にはガレージに、真新しい車が入っていた。
母親も同じく…車はカタログショッピングだった。
着物も山ほどあった…。
今ならこのカラクリがわかる。
うちはそれほど貧乏ではなかったハズだ。
バブルの時代のゼネコンの父を持ち、専業主婦の母がいるのだから…貧乏で駄菓子すら買えないハズがないのだよ…。
習い事は、週に7日。
日曜日はトリプルシフト。
平日もダブルシフトは当たり前…。
習い事代金で駄菓子は楽勝で買えるよね?お母さん?
車はカタログショッピング。
電化製品もカタログショッピング。
その他のモノはデパートの外商さんがやって来てお買い物終了。
私は、うちは貧乏。
本気でそう信じていた…。
20歳の頃…日テレのさんまの恋のから騒ぎで…車はカタログショッピングと当たり前のように言ってしまった。
当然、かなりのバッシングを受けた…。
中古車という存在を知ったのはそれからかなり経ってからだった。
私が悪いのか?
それとも母親がケチだったのか…?
未だに分からない…。
友達から、お菓子が買えない事で、貧乏貧乏と言われて辛かったトラウマか…。
未だに仕事をしないという生活が、怖くて仕方ない。
仕事をしなきゃ…お金が貰えない。
駄菓子すら買えないあの頃、お金を持たされていたリッチなお友達に、貧乏!と言われ、イジメられたあの頃を思い出す…。
でも、今では感謝している。
貧乏と言われイジメられたおかげ様で、自力で稼ぐ根性が付いてる。
イジメは時には必要なのかもしれないね。
きひ。