先日、外国人講師の採用面接をしました。

2時間半も話し続けて、恐らく過去最長のインタビューだったと思います。

なぜ、そんなに話し続けたのか……… 話しが面白かったからです。

私「今、働いている英会話教室の生徒さんのレベルはどのくらいですか?」

彼「色々です。本当に初心者の人もいて変わった質問をされます。」

私「どんな?」

彼「もし、外国人に会ったら英語で話しかけるべきなのか、日本語で話しかけるべきなのか、と聞かれます。そこで、私は彼にこう言いました。『もし、そこが日本であれば、まずは日本語で話しかけましょう。そして、通じなければ英語で話しかけてみましょう。そして、通じたならばそのまま英語で大丈夫。最初は日本語が通じたとしても、途中で困惑している様子が見えたら、英語に変えましょう、そして………』」

とても話しが細かく、場合分けが多い。しかし、すごく論理的。

結局、このテーマに関しては、たとえ見た目は西洋人のようであったとしても日本生まれで日本語しか話せない人である可能性がある。日本に限らず、世界のどこでも英語圏なら英語で、イスラム圏ならアラブ語というように、その地域の言語でまずは話しかけよう、というのが結論。

そして、次のトピックへ。

彼のレジュメには「日本の教育システムに興味がある」と書かれている。これは、面白そうな話題だ。

私「なぜ、興味があるの?」

彼「国際調査の結果を見ると、数学などの学力では日本がトップ10に入っているのに、私の国のイギリスはかなり低い。日本のこどもは学校だけでなく、塾にも通うと聞いた。だからでしょう?」

逆質問を受けてしまった。

私「うーん、塾のおかげなのかもしれないが、日本のシステムには大きな欠点があるよ。道徳や公共心を強調し過ぎて論理的思考力に欠ける点が最大の欠点だと思う。」

彼「?」

私「君は論理的でしかもジェントルマンだけど、日本では論理的な人は冷たいと思われがちだ。本当は全く矛盾しないのに」

彼「??」

私「日本の学校ではルールは誰かから与えられるもので、それを忠実に守り、他人のために行動するのが義務で、それができなければ大人じゃないと言われる。かわいそうな事に日本のこどもはルールが無い状態をほとんど経験した事が無いので、ルールは自分たちのためにあり、自分たち自身が作って改善していくべきものだという事を知らない。」

さらに続ける。

私「以前、ある鉄道の列車運転手が高校の卒業論文に『ルールが守れる大人になりたいです』と書き、定められたダイアグラムの遅れを取り戻すためにスピードを出し過ぎて脱線し、多くの死者を出した事がある。論理的に考えれば命を失うことは無かったのに。」

彼の質問を逆手に自分が言いたい事を言っただけだが、納得はしてくれているようだ。

その後、話題はイギリス、アメリカ、日本における秘密保護法に違反した場合の罰則や運用法の違いにまで及びました。

僕の話しにつき合ってくれてありがとう、とても楽しかったです。

授業の方も宜しくね。

Written by Takafumi