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僕の大好きなドラマの1つに、アメリカで製作された「スタートレック」があります。

このドラマはSFで宇宙艦隊が舞台でありながら、実は「社会問題」を描いています。

※ドラマが出来るまでの経緯についてはこちら
 →http://ja.wikipedia.org/wiki/スタートレック


劇中でのアクションの場面は少なくて控えめで、純粋にドラマとして楽しめる内容です。扱っている問題は「人種差別」や「異文化コミュニケーション」、「国家の壁を越えた相互理解」です。ドラマ内に出て来る「クリンゴン人」のモデルは、たぶん太平洋戦争当時の「日本人」です。

先日、久しぶりにその中の「Offspring」というエピソードを見ていました。ストーリーは宇宙船「スタートレック」号の一員であるアンドロイドの「データ」が、艦隊内で一二を争う優秀な頭脳を駆使して自分を複製し、別人格のアンドロイドを作り、「自分の娘を作った」と言い始めます。その結果、その娘「ラル」にいかに「人権」と「教育」を授けるべきかを巡って、宇宙艦隊総司令部を巻き込んだ大論争が起こるというものです。

「データ」は、スタートレックのいくつかあるシリーズのうちの1つ、「ネクスト・ジェネレーション」の中で私が一番好きなキャラクターです。その魅力は、冷静沈着なアンドロイドでありながら、とても感情豊かな点にあります。しかし、彼自身は「自分はアンドロイドなので感情が理解できない。なんとかして人の感情を理解したい」と、もがき苦しんでいます。一般に相反すると考えられがちな「合理性」と「人間性」を兼ね備えた稀有な存在です。

このエピソードの中で、研究室に籠った「データ」に対して仲間のクルーの一人が「あいつは自閉症にでもなったのか?」と言うセリフがあることに気づきました。

もしかするとあのエピソードの題材は元々「自閉症」、さらには、その「親子」だったのかもしれません。

以前、自閉症のお子さんをお持ちのお母様が「私が死んでも自分の息子は悲しまないだろう」ということをおっしゃっていました。

しかし、この「Offspring」の中で、アンドロイド同士の「データ」と「ラル」が無言で手を重ねる場面を見て、そもそも「泣いている人々も、実際はどこまで通じ合っているのだろうか」ということを考えました。

大切なのは、言葉は無くとも、そのお子さんが母親を頼っているという事実なのではないかと感じました(これは、劇中の「ピカード」船長もそう言っています。彼は私が2番目に好きなキャラクターです)。

我々は普段、「感謝の言葉がやりがいになる」と言い、何かしらの反応が無ければやる気を失いがちです。しかし、痴呆症のお年寄りの介護や重度の障害を持っている人たちの介護の現場では必ずしも日常的に得られるとは限りません。

客観的に見て「自分が役立てている」という気持ちを持てることが大切で、このことはもしかすると「仕事」と呼ばれているもの全般に言えることなのかもしれません。


このエピソード「Offspring」は各キャラクターのセリフ一つ一つにとても重みがあり、非常に良く出来た脚本です。数あるエピソードの中で、私が一番に視聴をお勧めしたい回です。


Written by Desaki