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7月20日(水)の特別講座の様子をご紹介いたします。
9回目を迎える今回も経済学博士の原勲先生をお招きし、「資本主義の未来~ソーシャルキャピタル論の発展的研究」をテーマに講義をしていただきました。

前回はソーシャルキャピタル(SC)について、その経緯や社会での役割、重要性などについて説明していただきました。
今回はソーシャルキャピタル論に更に踏み込んだ講義になりました。



始めに、SCをベースに作られたCED(Community Economic Development)、つまり地域開発計画についてです。
これはEUの新地域政策になっているもので、比較的狭い地域内での問題を、そこに暮らす人々が自主的に解決し、経済的、社会的、環境的問題において助け合う為のひとつのプロセスです。
CEDは、経済セクターの中の民間セクターと公共的セクターの間に位置している、第3のセクターになります。
日本の第3セクターとは異なり、民間主導で行政が支える形をとっていて、小さい単位の地域に密着した様々な施策が行われています。
こういった活動を運営しているのがSE(Social Enterprise)で、イギリスでは地域コミュニティに密着した事業を活発に展開しています。

また、人的資本論(HC)や環境資本論(EC)も注目を集めています。
R.フロリダはHC中心の地域政策論を展開していて、アメリカをリードしているのは30%の創造的階級(Creative Class)であるという研究結果を発表しました。
創造的階級の人々はSCやECに関心がなく、地域の成長はいかに人的資源(HC)を開発するかにかかっているとしています。

環境資本論については、限られた資源をどう効率的に使うかがまさに経済学であり(資源を巡る抗争は政治学)、世界の足並みがなかなか揃わない中、持続可能な社会をどう実現していくのかが研究課題になっています。



これらのことから、原先生は地域創造性開発(RCDI)の理論を提唱しています。
47都道府県と113の20万都市を対象にしたアンケート調査からHC指標、SC指標、EC指標を計算し、その結果からRCDIを分析しています。
意外な都市が上位または下位に入っていて、興味深い結果が見られました。

フロリダは、創造的階級はSCやECに関心がないとしてましたが、アンケート結果を見る限り、日本ではSCやECへの関心は高くなっています。
そこで地域の特性を失わずに、HC、SC、ECそれぞれを、地域間競争の中で高めて行くことが、勝ち残ることができる魅力的な地域づくりに繋がるというのが、原先生の考えです。
これは今後どのような教育機関を目指すべきかという、我々の考え方にも大きな影響を与えてくれました。



9回にわたって、貴重なお時間を割いて講義をしていただいた原先生に、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。

しばらくの間、こちらの講義はお休みさせていただきますが、次回以降、再度原先生にご協力頂いて、子どもを対象とした経済学講義を開催する予定です。
詳細が決まりましたら、皆様にお知らせいたします。お楽しみに♪

Written by Miki Moriya