2015年10月4日15:04キックオフ@正田醤油スタジアム群馬 天候:晴

群馬 1ー1 京都


【京都メンバー】
GK清水圭介。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、バヤリッツァ、下畠翔吾。MF底に田森大己、前に右から伊藤優汰、山瀬功治、原川力、駒井善成。FW大黒将志。
SUB:杉本大地、山口智、内田恭兵、キム・ナミル、永島悠史、フェホ、有田光希
監督:石丸清隆

(選手交代)
62分、下畠→内田:ポジションそのまま。
78分、伊藤→永島:永島が中央に入り、山瀬が右へ。
94分、山瀬→有田:時間短く、ポジション確認できず。


【群馬メンバー】
GK富居大樹。DF右から小柳達司、青木良太、乾大知、小林亮。MF右から吉濱遼平、松下裕樹、坂井洋平、小林竜樹(24分:→カイケ、94分:→野崎桂太)。FWファン・ソンス(86分:→永井雄一郎)、江坂任。
SUB:北一真、有薗真吾、川島將、アクレイソン
監督:服部浩紀


【審判団】
主審:前田拓哉 副審:秋澤昌治、佐藤裕一


【得点】*サイドは攻撃側から見て
27分、江坂(群馬1ー0京都):右CK、松下の低いクロスを江坂がニアサイドで左足で合わせて決める。
52分、駒井(讃岐1ー1京都):原川と駒井のパス交換から右サイドに展開。伊藤のクロスをファーサイドで大黒がヘディングシュート。GKが防いだところを駒井が頭で押し込んで決める。

【警告】
群馬:なし
京都:菅沼(38分)、バヤリッツァ(63分)



3連戦を全てドローで終え、5試合連続ドロー中の京都。
1週間空いた今節はアウェーでの群馬戦となりました。
連戦中はほとんどメンバーを変えずに戦いましたが、今節は山瀬と大黒を先発で起用し、これまでの4-4-2から田森をアンカーに置いた4-1-4-1に変えて臨みました。
対する群馬は、前節札幌と引き分けて連敗を4でストップしたところで、京都より勝ち点は3つ上回っての今節でした。



攻撃のリズムは生まれるもリスク管理に危うさが


京都は石丸監督の就任後、基本的にツートップで戦い、どちらかが中盤に引いてきたり、サイドハーフが中央に入ってパスを引き出すことで攻撃の組み立てを狙ってきました。
しかし前節までの連戦中は有田、宮吉、伊藤、駒井がいずれもコンディションが悪そうで、ここになかなかボールを入れられないといった問題がありました。
中央が詰まるとサイドも詰まってきて、閉塞感が出始めていたところではあります。
それを踏まえてというところもあるでしょうし、山瀬のコンディションが上がっているということもあってのメンバー・システムの変更だったでしょうか。

田森がDFラインの前で守備に目を光らせ、中央で山瀬と原川が頻繁に顔を出すことによって、後方からの縦パスを入れるのは比較的スムーズだったかと思います。
山瀬も原川もよく動けていましたし、積極的にボールに絡めていましたしね。
駒井と伊藤もコンディションが戻っている様子で、突破にもキレがありましたし、中盤の4人が動き回りながら崩しのチャンスを窺うという狙いはある程度できていたと言えるでしょう。
原川もこの形の方が前には出やすいでしょうか。
交代で入った永島も、より「過激な(笑)」吉武監督率いるチーム(U-17代表)の主力だっただけあって、細かいところに入り込んでパスを引き出せる強みがより出そうではありました。

また、この形ならワントップは前線に張って、相手のCBを牽制することによって中盤のスペースを生み出すことになります。その点から考えれば大黒はハマりそうなポジション。
こちらの狙いは、引いてくる大黒のボールロストが多かったこともあり、やや消化不良だったでしょうか。
幾つかの決定機に絡んではいましたし、同点ゴールに繋がるシュートも放ったのですが、2列目との連携・タイミングも含めて改善の余地はあり。


攻撃面では良さそうに思えるところがありましたが、逆に守備面では危うさが。

このチームは、攻撃がスムーズになるとどうしても意識が前がかりになりすぎる傾向が強く、過剰なリスクを犯しがちなところがあります。
今節も同様で、両サイドバックと田森がつい高い位置を取り、それだけでなく相手ボールになった時に不用意に奪いに出ては、裏を取られるシーンが目立ちました。

失点シーンの直前、カイケにミドルシュート打たれた場面が象徴的。
田森が相手陣内でFKを与えることになったプレーがキッカケでしたが、その時に石櫃までその近くでプレスを掛けに行っていました。そこでクイックリスタートで裏に出され、カイケを追って慌てて戻った石櫃が切り返しに対応できずに振り切られ、シュートを許しました。その後の下畠の対応も含めて軽い対応が目立ちましたし、不用意にリスクを負いすぎたプレーが自分たちの首を締めてしまった印象です。
ちょっと緩みもあったと思いますし。
強風の中で守備の対応は難しくなったところもありますが、ポジショニングと判断の面で拙さが出てしまったのは確か。

押し気味に進めていながらも、不用意なプレーから決定機を与えることもしばしば。
攻撃の回数から言えば、多少のリスクを抱えてでも群馬を押し切れそうではありました。
選手たちもそういった意識だったためにリスクを負いすぎたのかもしれませんが、ゴールは1点どまり。結局、6試合連続のドローゲームとなってしまいました。



どうバランスを取るのかが注目に


今節はシステムを変更して戦いました。
と言っても戦い方を大きく変えたというよりも、選手個々の役割を整理する中での変化と言った方が良いでしょうか。
2列目を増やしたことによって、伊藤と駒井をサイドに張り付かせる手もあったでしょうけれど、これまで同様に中央に積極的に入ってくる様子でしたし。2列目のポジションチェンジを多用して相手を崩していこうという攻撃でしたね。FWの一枚が引いてくる動きを、中盤で賄おうとしていると言ってもいいかもしれません。

ただ、2列目のポジションチェンジが多い分、奪われた後の守備への入りはスムーズではなかったですね。
カウンターを受けた時に、無理に突っ込んで外されてしまうということを上では書きましたが、それに加えてセットした守備についてもポジショニングの修正が効きづらい印象はありました。
そういう意味では2トップで入った時の方が、慣れもあるし、役割もハッキリするので守備は効きやすいでしょうか。

今節、前がかりになりすぎたのは不慣れだったからかもしれませんし、得点を奪うために気が逸りすぎたからかもしれません。
攻撃面では面白い組み合わせだったのは確かですし、次節もこの形で臨む可能性はありますね。
どういう選択をするにせよ、最低限のリスク管理を行うべきなのは間違いないですし、今節を受けてどういう修正を施すのかは楽しみなところです。
どうしても勝ちが欲しくて焦りがちなところもあるとは思いますが、クールにやるべきところは大事ですからね。



―2015シーズン通算記録―
9勝11分15敗 勝ち点38 38得点 46失点
今節終了時点:18位

【ゴール】
15点:大黒
4点:有田、宮吉
2点:石櫃、ダニエル・ロビーニョ、バヤリッツァ、伊藤、駒井
1点:山口、菅沼、奥川、佐々木

【アシスト】
4アシスト:駒井、伊藤
3アシスト:キム・ナミル、有田
2アシスト:石櫃、宮吉
1アシスト:山瀬、内田、大黒、佐々木、原川、磐瀬

【累積警告】
3枚:ダニエル・ロビーニョ、磐瀬、バヤリッツァ
2枚:山口、大黒、和田、駒井、内田、有田、原川、菅沼
1枚:佐々木、山田、宮吉、キム・ナミル、ファン・ジンソン、伊藤、石櫃


*キム・ナミル、バヤリッツァ、石櫃は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*宮吉、菅沼、磐瀬は一発退場による出場停止が一度あり