2015年10月25日13:04キックオフ@西京極陸上競技場兼球技場 天候:晴

京都 2ー2 大宮


【京都メンバー】
GK清水圭介。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、バヤリッツァ、下畠翔吾。MF底にキム・ナミル、前に右から伊藤優汰、山瀬功治、駒井善成、宮吉拓実。FW有田光希。
SUB:山田元気、磐瀬剛、内田恭兵、原川力、田森大己、荻野広大、大黒将志
監督:石丸清隆

(選手交代)
70分、有田→大黒:ポジションそのまま。
77分、宮吉→原川:原川がインサイドハーフに入り、駒井が左サイドへ。
90分、山瀬→田森:ポジションそのまま。


【大宮メンバー】
GK加藤順大。DF右から片岡洋介、菊池光将、河本裕之、和田拓也。MF右から横谷繁(63分:→渡邉大剛)、横山知伸、カルリーニョス(91分:→播戸竜二)、泉澤仁(77分:→大屋翼)。FW家長昭博、ムルジャ。
SUB:塩田仁史、渡部大輔、福田俊介、富山貴光
監督:渋谷洋樹


【審判団】
主審:福島孝一郎 副審:越智新次、林可人


【得点】*サイドは攻撃側から見て
8分、山瀬(京都1ー0大宮):CKのクリアボールを拾った駒井が、左サイドをバヤリッツァとのワンツーで抜け出してクロス。ファーサイドから入ってきた山瀬が右足ボレーで決める。
26分、ムルジャ(京都1ー1大宮):中央で家長からパスを受けたカルリーニョスが裏へロビングパス。右から飛び出したムルジャがショートバウンドを強烈な右足ボレーでニアサイドに突き刺す。
55分、伊藤(京都2ー1大宮):左サイドで得たFKを駒井がクイックスタート。受けた宮吉が下畠とのワンツーで抜け出し、菊池をかわしてクロス。走り込んだ伊藤が左足で決める。
65分、家長(京都2ー2大宮):右CK、渡邊のクロスがファーに流れたところを受けた家長が密集で巧みに駒井と石櫃をかわして左足トゥキックで流し込む。


【警告】
京都:キム・ナミル(37分)
大宮:河本(37分)



Jリーグタイ記録となる8試合連続ドローゲームを記録した京都。
新記録を賭けて(?)、迎えた今節のホームゲーム。相手は首位を走る大宮でした。
大宮は首位につけていますが、ここ最近失速しており、3試合勝ちなしの連敗中。
京都のスタメンは前節から1人変更。原川が外れて有田が入り、有田のワントップ。宮吉が左に回って、インサイドハーフには駒井が入りました。
大宮は横山が出場停止明け。また、GKが塩田から加藤に変わっています。



ぎこちなさの強いサイドをどう使うかが決定づけた試合の流れ


この試合ではサイドの攻防がポイントになりました。
京都から見て左サイド、大宮から見て右サイドです。

京都は左サイドバックに下畠が入っていますが、ここ最近の試合レビューでも触れている通り、本職が右サイドバックということもあって攻撃にはぎこちなさを感じさせます。
一方の大宮も、横谷が中央へ入って行きがちなので、右サイドは片岡が広く使うことになるのですが、もともとCBや守備的なボランチの選手であるため、サイド攻撃は下畠同様にぎこちなく。
したがって、このサイドをどう使っていくのかというのは両チームにとって直面している課題だろうと思います。

今節、この課題への対応がくっきりと分かれました。

京都は両サイドバックを高く上げ、駒井と山瀬が動き回ってパスを引き出しながら、両サイドを中心に攻め込もうとします。
下畠はトラップが後ろ向きになってしまうことも多く、縦へのスピードを止めてしまうこともこれまで同様前半は多かったです。ただ、左サイドからうまくスペースを空けながら中に入る宮吉をサポートする形で、自らは縦に行かなくても攻撃のポイントになることが徐々にできるように。
ドリブラーの駒井とは違い、周囲とうまく連携を取りながらワンタッチの上手さを活かしたい宮吉との方がバランス良くやれるのかもしれませんね。

一方の大宮はほとんど右サイドを使うことなく、左サイドの泉澤と裏に抜けるストライカーのムルジャのスピードを主体に攻め込もうとします。
この2人のプレーは本当に脅威で、1点目のムルジャのゴールのように気を緩めれば一瞬でやられる凄みを感じさせるもの。
ただ、どうしてもサイドが偏る分、守備の的は絞りやすくなった印象もあり。
家長が引いてきて、横谷が中央へ来て密集化・・・同じような状況は京都もよく経験することであり、ある意味で『慣れ親しんだ』ものでした。
テクニックが高い分、大宮は何とかしてしまえそうでもあるのですが。
また、だからこそ首位にいるのかもしれません。今節の2ゴールともスーパーでしたしね。


と言うことで、相手の間を広げて、効果的に攻撃を繰り出すことができた京都が押し気味に進め、チャンスも多く創り出しました。
また、大宮は守備時に逆サイドの選手が絞る動きは徹底されていましたが、ファーサイドへのクロスや、サイドチェンジのパスに対しての動き直しが遅れがちでもありました。
京都は序盤からそこを狙う構えもしていて、上記したように左を起点にすることもできていたので、右に振る形で多くのチャンスを生み出し、実際に2点ともその形で奪えました。

このまま押し切りたかったのですが、なかなかそう上手くは行きませんでしたね。
大宮も右サイドの問題を放置したままではなく、サイドでのプレーを得意とする渡邉大剛を投入してテコ入れを施します。この直後に、右サイドの突破で得たCKから同点弾が生まれるというのもなんだか象徴的に思えるところですね。

京都からすると追い付かれた後もチャンスは多かったですし、しっかりと得点を重ねて勝ち切りたかったのですが・・・。
今節も引き分けの呪縛を断ち切るには至らず。
2-2のドローで試合は終了。京都は9試合連続のドローでJ記録を塗り替えました。



攻守の改善を施しながら前へ


続きますねぇ。
めったに見れない記録ですし、Jの歴史に記録として刻まれることを(いっそのこと)楽しもうという感じも出てきています(笑)

これは冗談として(半分くらい?・笑)、しっかりと積み上げが見えるだけに結果が出ない辛さがあります。
前々節にはほとんど作れなかったサイド攻撃を前節から改善を施し、今節では懸案だった左サイドにも目処が付きそうな感触も得られました。
ゴールという結果も得られましたし、攻撃に手応えが得られれば相乗的に守備にも影響するわけで。もちろん、逆もしかり。

これまでは守備から作って、ある程度整備したところで攻撃に詰まっていました。
そこをシステムも変えて、新しく攻撃の形を見出しつつある状況でした。
そして、安定した攻撃を出せるようになった影響からか、過度なハイラインも敷くことなく、また過度にバランスを崩すことなく今節を戦い切ったというのも新たな驚きでした。
徐々に攻守両面でステップアップしていく気配を見せているだけに、さらなるキッカケが欲しいというのが正直なところ。

しかしながら真摯に戦っていくしか手はなく。
また次に繋げていくしかありませんが、近道のない話なので、攻守両面で積み上げを図るしかないでしょう。



―2015シーズン通算記録―
9勝14分15敗 勝ち点41 40得点 48失点
今節終了時点:19位

【ゴール】
15点:大黒
4点:有田、宮吉
3点:伊藤
2点:石櫃、ダニエル・ロビーニョ、バヤリッツァ、駒井
1点:山口、菅沼、奥川、佐々木、山瀬

【アシスト】
5アシスト:駒井
4アシスト:伊藤
3アシスト:キム・ナミル、有田、宮吉
2アシスト:石櫃
1アシスト:山瀬、内田、大黒、佐々木、原川、磐瀬

【累積警告】
3枚:ダニエル・ロビーニョ、磐瀬、バヤリッツァ、駒井
2枚:山口、大黒、和田、内田、有田、原川、菅沼、キム・ナミル
1枚:佐々木、山田、宮吉、ファン・ジンソン、伊藤、石櫃、清水


*キム・ナミル、バヤリッツァ、石櫃は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*宮吉、菅沼、磐瀬は一発退場による出場停止が一度あり