全選手評第2弾です。
今回はサイドバックの選手たち。


6 ファン・テソン
リーグ戦5試合出場
天皇杯1試合出場

ひょろ長系SB。
慶応ボーイだけあってしっかりした好青年で(因果関係てきとう)、今季は選手会長も。
一昨季末に負った大怪我(十字靭帯損傷)からようやく復帰し、開幕スタメンを奪取。
開幕戦は持ち味の多彩なクロスでチャンスを演出するとともに、プレー強度面での改善を見せ、大いに期待したのですが・・・。
大宮戦でPK献上をするなど、守備面での軽率さやスタミナ面での不安は解消されないままだったでしょうか。
組織的な守備がチームとして構築できなかったことももちろん影響は大きいですが・・・。縦への意識が強すぎて中央へ絞る動きに乏しく、穴を開けてしまうこともありましたし。
石丸監督体制になって、明らかに左サイドのビルドアップに問題を抱える中でも起用されなかったというのは、結構キツイもんがありましたね・・・。
守備面と運動量あたりで厳しいという判断だったんでしょうけど、左利きで長身のSBはそれだけで希少種なので、なんとかならなかったものかと。
それだけアピールできなかったってことでもあるんでしょうけど。
シーズン途中からは練習試合でも数の足りないCBに回されていたり、天皇杯でボランチで起用されたり。
天皇杯でのボランチも全くハマらず、途中から左SBに移りましたが、結局そこでもいいプレーができなかったというのがダメ押しになってしまったでしょうか。
左利きで長身というだけでも引きは有ると思うので、早く新しいチームが決まるといいですね。


16 福村貴幸

リーグ戦出場なし
*3月に清水へ期限付き移籍

スローインが可愛いと一部の熱狂的変態(*俺の友人)から人気の左SB。
シーズン早々に清水へ期限付き移籍し、このオフに完全移籍することに。
後方からのビルドアップに特徴があり、ボランチっぽいSBということで大木体制では重宝されましたが、フィジカルの弱さゆえに引いて守るには適さず、またそれほど駆け上がる回数も多いわけではないためにサイド攻撃を重視する監督には厳しく見られるという。
結構趣味の分かれる選手ではあります。
あと、大木体制の影響で食いつく守備が染み付きすぎ、清水でも苦労してるっぽい様子だったのは気掛かり。それにしてもビルドアップができるからって3バックの真ん中はないやろう。
って言っても来季から対戦するのか。うーむ。ガッチリ固めたい小林伸二には合わないように思うのだけれど、どうなりますか。


20 磐瀬剛
リーグ戦22試合出場 1アシスト
天皇杯1試合出場

守備のスペシャリスト見習い中。
身長がないためにポジションが定まらない選手でもある。
ボランチだったり左右のSBだったりCBだったりが考えられ、今季は主に左SBで出場。
最終ラインのスライドが上手く行かずに失点が増えていた中、彼が3枚目のCBのような役割を果たすことによって守備の安定に寄与しました。
攻撃面ではどうしても慣れないポジションであったため、左足を使って幅を作れないことによりビルドアップに不具合はきたしてしまいましたが、試合を重ねるごとに良くなっていく感触はありました。
天皇杯の川崎戦なんかはタイミングよく駆け上がってクロスを入れるシーンもあったし、磐田戦ではアシストも記録。
一時精彩を欠いていたようで下畠にポジションは奪われてしまいましたが、持ち直してきた様子でもありました。ただ、残念だったのはそこで負傷してしまったこと。
しっかりと治して、来季は万全の状態でシーズンインして欲しいですね。
適性はボランチでしょうか。今季も何度か起用されていましたが、ボール奪取能力を活かしたいところ。
あと、セレッソ戦の退場劇はルールの微妙なところを突いてきていて、結果的にこちらのルールへの知識を深めるお題 になったことも評価が高い(ブログネタ的に)。


24 内田恭兵
リーグ戦20試合出場 1アシスト
天皇杯2試合出場

関大から加入したルーキー。
本職は右SBですが、左サイドで出ることが多かったですね。
やりづらさはかなりありそうで、攻め上がるタイミングは掴めていても左足を使って縦に行きづらそうな印象でした。
たまに右サイドで出た時はスムーズだったので。
それでもデビュー戦で左足クロスでアシストを決めるなど、手応えもあったでしょうか。一年目で本職でないサイドをあれだけこなせれば十分合格点。
ルーキーということもあってか、続けて起用されている時には身体的よりも精神的なコンディションを崩している様子があり、マーキングのミスや単純なパスミスが増える傾向にありました。
これも経験やね。
良い状態であれば攻守両面で戦えると思いますし、来季は本職である右SBのポジションを掴みたいところ。


25 大西勇輝
リーグ戦出場なし (J3リーグ3試合出場)

公式戦出場がなかったため、プレーを評価することはできません。
来季は奈良クラブへのレンタルが決まっています。
同期の奥川、永島が出場機会を得た中で悔しさもあるでしょうし、新しい環境でみっちり鍛錬してきて欲しいものです。


26 下畠翔吾
リーグ戦20試合出場
天皇杯2試合出場

怒られるユースっ子1号。
よく怒られてましたね(笑)主に菅沼と清水に。
今季出場機会がないようだと危ないなと思っていましたが、練習中のプレーが石丸監督に評価されたようで、本職の右SBではないものの、CBや左SBとして出場を重ねました。
チームとして手薄なポジションだったわけですが、そこでしっかりと出場機会を得たところは非常に彼にとって大きかったと思います。
初めてCBで起用されたのは栃木戦で山口が負傷した後の緊急出場で、その時は不安定なプレーをしていましたが、次に巡ってきたC大阪戦でのスタメン起用では上出来のプレーぶり。
チームも完封勝利を飾り、その後の定位置確保に繋がりました。
カバーリングを評価しているという石丸監督のコメントもありましたし、左サイドでも同様に『3枚目のCB』の役割を果たしながら、攻め上がりも見せてくれという狙いの左SB起用だったでしょうか。
ただ、左SBで起用された他の選手と同じく、本職でないためにビルドアップは詰まり気味。宮吉と左サイドを組んだ時にボールが流れそうな気配はありましたが、ちょっとしんどかったですね。パスを受けるために開くのがやや遅いことも。
守備面でもポジションを下げすぎる傾向にあって、対応が後手を踏んだり、CBとのギャップを突かれたり。
課題も多かったですが、これまでなかなか出場機会を得られなかったことから考えると、やはり大きな一年だったと言えるのでは。得られた課題をしっかり解決していければ。
引きこもり疑惑も、隊長と祭り上げる有田たちのお陰で解消できてるっぽいですし(笑)


30 石櫃洋祐
リーグ戦39試合出場 2得点 3アシスト
天皇杯2試合出場

本格的クロッサーも今季は苦戦。
アシスト数を大きく減らし、今季はわずか3本(昨季は9アシスト)。
攻撃の形が作れていなくても、一本のクロスをピタッと合わせてしまえるのが強みでしたが、今季はそれほど出せませんでした。
相手が警戒していることに加え、シーズン序盤はコンディションも整ってないかなという感じがしていました。
DFと正対した時に、少しボールをずらして相手の体の脇を巻くようなクロスが蹴れるのが魅力でしたが、ずらすスピードが遅いか、腰を捻りきれないかで相手に当ててしまうことも多く。
もともと攻撃志向の選手で、守備能力はそれほど高くないため、序盤戦のように後方が安定しない中ではデメリットばかりが目立ってしまう結果となりました。
両サイドバックを高く上げる戦術下では、いかにカバーするか、もしくはいかにSBが守備で後手を踏まないかが重要になりますが、そこはしんどかったですね。
相手も石櫃サイドで一対一を仕掛け、CBを引きずり出すことで中央を突く狙いを持っている事が多かったですし。
しかし、後半戦にあるとコンディションも上がってきた印象があり、苦手ななりにしっかりと相手に食いついたり、中央への絞りも怠らなかったり、守備の引き締めに一役買っていました。
一列前の伊藤が奔放にやってしまうタイプで、しかも息が合わないために攻撃では使ってもらえず、守備では1対2に晒されやすいということも考えると、あれだけの上下動を繰り返しながら守備タスクもそれなりにこなしたことは大いに評価すべきでしょう。