明けましておめでとうございます。
今年も本ブログをよろしくお願いします。

・・・と言いつつもまだ2015シーズンの話をやってるところですけど(笑)
ということで、今回は全選手評第4回。中盤で攻撃的な役割を担った選手たちです。


7 駒井善成
リーグ戦35試合出場 3得点 5アシスト
天皇杯3試合出場 1得点

悩めるユースっ子2号。
と言っても悩んでたのはプレーよりも、シーズン後でしたね。
プレー面で言えば特徴である切り替えの速さと豊富な運動量を武器に、今季も主力として奮闘してくれました。
いろいろなプレーにトライして幅を広げようとしているところが彼の良いところであり、昨季はサイドバック、今季はインサイドハーフとしても経験を積みましたね。
原川からポジションを奪い取ってしまったのは、彼の凄さとともに、原川の不甲斐なさも感じていていろいろ複雑でした(笑)
キャプテンマークも巻き、精神的にも成熟してきて、名実ともにチームリーダーになったんだなぁという感慨も。
日頃から京都愛を口にしていて、プレー面でも責任感の強さと向上心を感じる選手だっただけに、浦和への移籍を決断する裏には相当な葛藤があったと思います。
一つのチームで現役を終える素晴らしさもありますが、可能性があるならば上のステージでやることを考えるべきだというのが俺の意見。
ミシャの下というところに多少の不安は感じるのですが、日本でも有数の資金力と戦力を誇る浦和であれば、アジアでの戦いも含めてプレーヤーとしての幅を広げられるチャンスは大きく。
もちろんそういった環境を京都で用意してあげられると良かったのですが、彼の年齢を考えると快く送り出したい。
京都は少しでもそのステージに近づけるように努力していくのみですね。
ちょっと話が逸れましたが、駒井がより大きくなっていくためにはこれまで同様プレーの幅と質を高めていく以外にありません。
運動量、切り換えの速さ、ドリブルでの突破に関しては既に国内でも高いレベルにある選手だと思いますが、キックの質・精度が低いために思ったほどのチャンスを創れていないのも事実。
そこを高めていけるなら浦和でもポジションは取れるはずですし、さらに先も見えてくるでしょう。
ハードルはかなり高いですが、持ち前の向上心でしっかり取り組んでくれれば。


8 ファン・ジンソン

リーグ戦8試合出場
*7月に契約解除(その後、岡山に加入)

技術が高く、決定的な仕事ができるとの触れ込みでしたが、完全に期待外れに終わりました。
左足のキックには可能性を感じましたが、昨季負った負傷の影響なのか、コンディションはほとんど整わず。
金沢戦でPKを奪取したスルーパスが見せ場だったでしょうか。
トップ下でしっかりボールさえ入れば良い仕事はできたかもしれませんが、自分で呼び込む動きも少なく、守備面でもほとんど寄与できなければ起用するのは厳しいですよね。
和田監督は何とか彼のコンディションを上げようとしう起用もしていましたが実らず、契約解除となりました。
岡山に移った後も少しプレーを見ましたが、途中出場であれば少しは動けるかな、というくらいでしたね。
たぶん怪我がなければもっとやれたんでしょうけど・・・。


11 伊藤優汰
リーグ戦29試合出場 4得点 4アシスト
天皇杯1試合出場

悩める・・・と言うかもう少し悩めと言いたいようなユースっ子1号。
来季から新潟へ移籍することになりました。
背番号も11に変わり、これまでのプロ生活で最も多くの試合に出たシーズンとなりました。
左右のサイドハーフで起用されることが多く、急激な加速とスピード変化のキレで相手をかわしていくドリブルはお馴染みの武器。
お馴染みと言うか、「第一選択肢はいつもドリブル。第二もドリブル。三、四がなくて五にドリブル」とデフォルメしたくなるほどのドリブルジャンキーっぷり。
大抵は右サイドで受けて、縦に行くフリをしながら中に切り込んでシュート、が最も多い狙い。
視野が狭く、判断が遅いことが根底にありそうで、自陣内でもシンプルにプレーできず、結局ドリブルで持ち出そうとしては潰されることも多いですね。
また、得意のドリブルもスピードのリズムが武器であるためか、リズムが合わないDFはトコトン抜き去れるし、リズムが合ってしまうDFだといくら勝負を仕掛けても奪われる印象もあります。
それでも判断は若干マシになってきていて、元々左足のキックはいいものを持っているので、シンプルにプレーできる判断が整っているときはサイドを蹂躙できる選手でもあります。
ホームでのセレッソ戦、アウェーでの千葉戦なんかはそういった試合。
ムラッ気もあるので、凄い時はほんと凄いのだけど、ダメな時はホントにダメ。
さらに守備面にも問題を抱えており、サイドハーフでプレーしている割に右サイドのスペースを消すことを怠ることが多く、気分次第で戻る感じ。
そのため後方の石櫃に掛かる負担は非常に大きく、石櫃も守備が強い選手でないためにチームにとってハイリスクを負う布陣になっていました。
終盤戦で4-1-4-1を採用したのは伊藤の右サイド守備をインサイドハーフとワントップ(主に有田)で補う側面もあったでしょう。
上記したように左足のキックはいいものを持っていて、終始ドリブルで突っかけながら終盤まで走れる脚力も持っています。
一方で左足のキックも、良い物を出せるのは余裕のある時に限定される印象は強いですね。ドリブルにこだわりすぎて、相手をかわした後にはキック精度が著しく落ちてしまうことも難点。
大分戦で決めたような相手の間合いを外してのシュートも、結構トライしていましたが入ったのは一本だけでしたね。うまくは行きませんでしたが、ああいうトライは大事でしょう。
と言うか、相手もカットインしてくるドリブルへの対応を第一にしているので、そこを上手く外しながら決定的なプレーができるようになればと思います。
良い時は本当に決定的なプレーができる上、そういう時ほど勝負へのこだわりも見せられるのですが・・・。それを出せるためのサッカーへの理解であったり、視野を広げたりするということが必要な選手。それができなければただ使い勝手の悪い、リードされている状況で一発狙いのための選手になりかねません。
本人の移籍コメントでもありましたが、実際甘えている部分も多かっただろうなと思います。
この移籍がどうなるかは分かりませんが、後のない状況であることをどれだけ本当に意識できているのか。来季が勝負ですね。
正直なところ、かなり期待もしていて、また、他では今までのように出場機会を掴みづらいだろうとも思うので、京都でやって欲しかったのですが。これも『甘やかし』なのかもしれんなとも思いますが。
本当に、来季しっかりやって欲しいです。
あと、髪は剃れ。


14 山瀬功治
リーグ戦23試合出場 1得点 2アシスト

なぜか中盤のバランサーになってしまった。
ポジションとしてはトップ下、サイドハーフ、インサイドハーフとしての出場。
若い選手と中盤を組むことが多く、大抵の場合、近いポジションの若手が守備意識がほとんどないために、ピッチを走り回ってスペースケアに奔走している印象が強い一年でした。
山瀬としてはたった1ゴールと言うのは物足りない数字でしょうし、もっと前で絡みたいところでもあったかもしれません。
ある程度チームとしての守備が整備されてくると前に出やすくなったところはあり、特に終盤戦のインサイドハーフは新境地と言えるのではないでしょうか。
もう少し中盤の守備が整ってくれば、山瀬ももっとゴール前に行けるでしょうし、チームとしてもあれだけの献身性を示せるアタッカーがいてくれるのは心強いし。
昨年負傷してからシュート精度が落ちている印象もありますし、ここが戻ってこればより重要な選手になるはず。
嫁がすごい。っていうか、嫁とクラブが契約したっぽい話がサポカンで出てるのに本人の更新発表はまだよね。どうなってるのか。


15 中山博貴
リーグ戦1試合出場

負傷に苦しみ、今季をもって現役を引退することになりました。
彼への思いについては現役引退に際して書いた記事 があるので、そちらを見ていただくのが良いでしょう。
今季もプレーはほぼできず、一時は練習試合にも出場しましたが、膝の状態は思わしくなく。
リーグ最終戦で引退試合ということで出場しましたが、ああいう結末になってくれて、本当に良かった。


18 石田雅俊
リーグ戦5試合出場 (J3リーグ7試合出場 1得点)
天皇杯1試合出場

悩める市船っ子1号。
独特のリズムで持ち出すドリブルに特徴がある選手で、デビューイヤーの昨季は2ゴールをマークしましたが、今季はノーゴール。
ボールを持った時には面白いプレーができる一方で、受け方に問題があるのか元々消えがちになってしまう選手でしたが、その課題は解消されず。
トップ下で起用された時には目立ちにくくても、サイドハーフで起用されることも多かったために守備面の鈍感さはチームにとってもリスクが大きすぎ、出場機会を得られた時にもほとんど満足の行くプレーができませんでした。
来季は駒井や伊藤が移籍したことによって、2列目のポジションを奪うチャンスですし、いかにこういった課題を解決できるかが勝負どころでしょうか。


29 奥川雅也

リーグ戦5試合出場 1得点 (J3リーグ4試合出場)
*6月にザルツブルク(オーストリア1部リーグ)へ完全移籍

奥川については、移籍に際して書いた記事 がありますのでそちらを見ていただくことで。
ちょっと長い記事ですが、前半の方で奥川のプレーについて書いています。
ザルツブルクに移籍した後、実質リザーブチームのリーフェリング(同国2部)にレンタルされて、それなりに出場しているようですね。
次のオフにトップチームに戻されるかどうかが一つの関門でしょうね。
まずは体づくりが大事な選手ですし、テクニックとスピードを損なわないようにスケールアップできるかどうか。
なお、本論と関係ないちょっとした余談。
先ほどの記事は、このブログをやり始めてからの最多閲覧数になってるはずです。
アップした日のアクセス数が普段の10倍くらいになっててビビった(笑)
一時はGoogleで『奥川雅也』で検索すると、Wikipediaの記事の次にこのブログが出てきて、奥川本人のTwitterアカウントやニュース記事よりも上に来るという異常事態にもなりました・・・。
好き勝手書いたので、もっと色んな所から怒られるかとヒヤヒヤしていましたが、今のところそうなってないのでみんな優しいなぁと(笑)
いや、あんまり怒られたくないのでそのままでお願いします(笑)


32 佐々木勇人
リーグ戦20試合出場 1得点 1アシスト
天皇杯2試合出場 1得点

今季加入したものの、一年で契約満了となってしまいました。
これまでは右サイドのアタッカーという印象が強い選手でしたが、京都ではまずトップ下やボランチといった中央でのプレーをする機会が多かったですね。
思ったよりもスムーズにポジションに入れていて、豊富な運動量でパスを受けるとともにシンプルなパス捌きで攻撃のリズムを作ってくれました。
また豊富な運動量は守備時にも大きく、トップ下で起用された時にはプレッシングのスイッチになっていました。
反面、ボランチではさすがに守備感覚は掴めなかったのか、ボール保持者に向かって出て行き過ぎて中央を開けてしまうことが多かったですね。
後半戦では本来のポジションである右サイドで起用されることが多くなりましたが、伊藤からポジションを奪うには至らず。
ドリブルで単騎突破できるかどうかというところで伊藤が重用されたのだと思いますが、もう少しチャンスが有っても良かったでしょうか。
サイドの幅を上手く使った安定感のあるプレーぶりはさすがのものがありましたし。