前回の記事では、シーズンプレビューのような形で、補強動向から今季のチームをどう見ていくかという話を書きました。
今回はシーズンプレビュー第2弾として、ポジション別に戦力状況をチェックしていきたいと思います。
前回はちょっと重めやったので、今回は軽めに、軽めに(笑)
ポジションはここまでの練習試合のメンバーから予想されるところと、俺の好みも含まれてますw


【ゴールキーパー】
(STAY) 菅野孝憲、清水圭介
(IN) 永井建成
(OUT)
 山田元気
*期限付き移籍中:山田元気

昨季同様、菅野がレギュラー候補で、清水がそれを追う形。

2ndゴールキーパーに清水クラスの選手がいるというのは非常に心強い。
昨季も少ない出番ながら安定感の高いプレーをしてくれましたからね。
新加入の永井は第3GKの立ち位置。もちろんベンチ入りから狙っていくことになるけれど、実質的なライバルは山口に期限付き移籍中の山田と見るべきか。
この一年で2人ともどれだけアピールできるかが重要。
なお、GK3人体制はアクシデントの際に不安であるため、昨季同様ユースの若原が2種登録されるだろうと踏んでいます。


【右サイドバック】
(STAY) 石櫃洋祐、下畠翔吾、内田恭兵
(IN) 湯澤聖人
(OUT)
 なし
*期限付き移籍中:大西勇輝

唯一、退団選手が一人もいないポジションで、さらに柏から湯澤が加入したので本職が4人もいます。
層が厚いとも言えるしダブついてるとも言える。
ここ数年右サイドの攻撃を引っ張ってきた石櫃が今季も主軸。
そこに他3人がどれだけ絡めるか。
下畠はCB、湯澤、内田はサイドハーフとしても可能性がありそう。
と言うか、クラブとしては下畠と内田のファーストポジションを右SBとは見ていないということなのかもしれないですね。


【センターバック】
(STAY) 高橋祐治、染谷悠太、牟田雄祐、(下畠翔吾、本多勇喜、吉野恭平)
(IN) 田中マルクス闘莉王、麻田将吾
(OUT)
 菅沼駿哉
*期限付き移籍中:磐瀬剛

ここまでの練習試合では4バックを敷いているようなので、レギュラーは2人ということに。
最大のトピックはやはり闘莉王加入。
布部監督が闘莉王をCBの軸として考えているかどうか、また、闘莉王自身が年間通じてコンディションを保てるかが鍵になりそう。
高さ・強さの面ではリーグ屈指の実力を今なお有していると思われ、得点力や味方への指示出しなど、チームに与える効果は大きそう。一方、スピードや動きのキレはどうしても落ちてきているので、チームとしてどういう守り方をするのかというところに影響を及ぼすはず。

闘莉王を軸とした場合、DFラインを高くするよりも、ブロックを作ってしっかり跳ね返す守備になり、カウンターが主体となるか。そういう意味では去年とあまり変わらないのかもしれない。
ハイラインを保つなら、スピードに優れ、カバーリングに秀でた選手が欲しいところだがそういったタイプはいない。あ、下畠がいるか。まさかの本職を押しのけて下畠チョイスもありえるぞ。
このあたり、布部監督の志向が楽しみなところ。

将来的なことも考えるなら、高橋、染谷、牟田で回したいが。闘莉王が控えにいるというのは、攻撃のオプションとしても相手に脅威ですから。
まだ不安定なところがある高橋、裏への対応に不安の残る染谷、負傷明けの牟田、というところで考えるとやっぱり菅沼の退団が痛いところ。
実際、染谷を取るか菅沼を取るかというところやったんじゃないかと思ってますけど。やっぱり覚悟の再入団を果たした染谷の心情を考えると、ね。
しかし染谷にとっても今季はプレーヤーとして勝負の年になるはず。CBとして勝負するならもう一つ成長したいところですからね。

ルーキーの麻田は左利きの大型CBという希少種。
CBとして体格が良いというのは大きな武器なのは当然ですが、左利きであると攻撃の組み立て時にサイドを使いやすくなるので、このタイプの選手はぜひ大成してほしいところ。
京都だけじゃなくて日本代表レベルでも左利きの大型CBは人材不足ですから。


【左サイドバック】
(STAY) 本多勇喜、(下畠翔吾、内田恭兵、湯澤聖人)
(IN) なし
(OUT)
 岩沼俊介、齊藤隆成、(國領一平)
*期限付き移籍中:齊藤隆成

岩沼、齊藤が退団したため、本職が本多のみになってしまった。
右と左でやけにアンバランスな印象。
本多が出られない場合は、一昨年にやっていたように下畠や内田を左に回すことになるか。でもたぶん不安定なのは変わってない。湯澤がやれるようだと大きいんですけど。
本多も能力には疑いないもの、時折集中を欠いたプレーをしがちなので、ポジション争いをしっかりやれるようにしたいところですが。
うーん、左利きの少なさも考えると岩沼は残したかったところではないかと思うんですけどね。
3バックにして、左アウトサイドにアタッカーを入れるチョイスもなくはないか。
それでも左アウトサイドできそうなアタッカーも見当たらないけど。


【ボランチ】
(STAY) 吉野恭平
(IN) ハ・ソンミン、望月嶺臣、(田中マルクス闘莉王、染谷悠太)
(OUT)
 アンドレイ、佐藤健太郎、國領一平、和田篤紀、(岩沼俊介)
*期限付き移籍中:荻野広大

昨季の主力級だったアンドレイと佐藤が退団し、バックアッパー的立場の國領も退団。
昨夏に広島から期限付き移籍で加入した吉野の移籍期間を延長できはしたものの、層が薄くなった感じは否めない。
練習試合ではワンボランチをやっている模様で、そうなると吉野がファーストチョイスか。
ただ、前線とのバランスを考えるとダブルボランチに落ち着いていきそうな気もする。
まだ練習試合でハ・ソンミンがプレーしていないので、この先吉野とのコンビで起用されるかどうかが注目点。
もう一人新加入の望月は攻撃に持ち味を持っており、ボランチで起用されるにしてもワンボランチだと厳しい。吉野あるいはハ・ソンミンとのコンビで出場を狙うことになりそう。
層が薄いところであるため、闘莉王、染谷といったあたりがフィルター役としてここで使われてもおかしくないか。


【攻撃的MF】
(STAY) (田村亮介、エスクデロ競飛王、内田恭兵)
(IN) 伊東俊、仙頭啓矢、島村拓弥、(小屋松知哉、岩崎悠人)
(OUT)
 山瀬功治、堀米勇輝、永島悠史、(ダニエル・ロビーニョ、和田篤紀)
*期限付き移籍中:石田雅俊、永島悠史

ガッツリ入れ替わったポジション。
昨季の主力がすべて退団してしまったため、新加入の伊東と仙頭にかかる期待は大きい。
また、本職はFWであるものの、田村と小屋松は基本的にはサイドハーフで考えられている模様。
この2人の場合はサイドでの守備をどれだけこなせるかが鍵に。
また、ここまでの練習試合では4−1−3−2もしくは4−1−4−1の形となっているらしく、エスクデロはトップ下で起用されているようだ。
この場合、前述のボランチの組み合わせと併せて中央の守備をどうするのか、といった問題は出てきそう。
ユース上がりの島村は得意とするドリブルで違いを見せられるなら、層の薄さもあって早めに出番がもらえそうにも感じるところ。


【フォワード】
(STAY) イ・ヨンジェ、エスクデロ競飛王、田村亮介
(IN) ケヴィン・オリス、大黒将志、小屋松知哉、岩崎悠人、大野耀平、(仙頭啓矢、田中マルクス闘莉王)
(OUT)
 有田光希、ダニエル・ロビーニョ、矢島卓郎、沼大希
*期限付き移籍中:沼大希

中盤の人手不足とは裏腹に完全に人材過剰な感のあるFW陣。
サイドハーフに回るであろう田村と小屋松、トップ下起用が続くエスクデロを除いたとしてもポジション争いは熾烈。場合によっては1トップだし。
サイドの裏を突くのが得意なヨンジェ、中央で強さを発揮して起点になると言われるケヴィン、ボックス内での動き出しを武器とする大黒の組み合わせ探りもしくはポジション争いが濃厚。
ルーキーの大野も出場した練習試合で連続ゴールとアピールを重ねている。
岩崎はU-20代表との兼ね合いもあり、まずはU-20W杯での活躍が目先の目標になるが、高卒ルーキーとは思えない体の強さ・速さを武器に出場機会を狙いたいところ。
いずれにせよ、多彩な特徴を持った選手が多いだけに、どう組み込んでいくか注目に。



全体を見るとやはり中盤の人手不足と、左利きの不足が目立ちます。
なので新外国人選手の補強あるいは夏の補強があるとするなら、左利きのサイドハーフが欲しいところ。

今のところ4バックにアンカーを置いた形で練習試合を戦っているようですが、上でも書いたようにダブルボランチにする可能性もありそう。
昨季と同様に4−4−2の形でブロック形成する守備をするなら、最初からボランチを2枚にしておけば守備はやりやすいですからね。中盤の一角でエスクデロを起用するならなおさら。
ただしその場合はFWは1枚ということになるので、前線で時間を作れるかがポイントになってくることに。昨季はヨンジェがサイドの裏に流れてキープし、相手を押し下げる役割を担いましたが、中央が薄くなる弊害も。
そこにサイドハーフが飛び込んでいく形をしっかり作れると良かったのですが、守り方との兼ね合いで押し上げに時間が掛かるため、苦しいところがありました。選手層も薄かったし。
今季も中盤の層が薄いわけで、同様の悩みを抱えることになるのか。
そこら辺はどう守るのかというところと、サイドハーフに起用される選手が攻守にうまくこなせるかが重要になります。
前者はやはりCBの起用法にも関わってきますし、指揮官がどう判断するのかというところ。
後者は本職がFWの選手が起用されることも多くなりそうなので、エリア内に人数を掛けられるようにしたいところですね。

やはり新監督というところで、どんなサッカーを志向しているのかちょっと分からず、かなり推測が多いのが正直なところ。
逆に言えば序盤戦はそういったところを観察していくのが楽しみでもありますし、選手起用と位置取りを注目していきたいですね。

もう1ヶ月切ったのか・・・早いなぁ(笑)