「結婚、しようかな」
「え?」
ギョンスとふたりで朝食。もしここにユノがいたら。
私は幸せなのかしら。そう思って。
「オッパと? いつ?」
ギョンスは私が思った以上にうれしそうに話に食いついてきた。
結婚すればすべてがうまくいくわけじゃない。私のこの嫉妬深さが弱まるわけでも。
それでも、ユノが私のものだって胸を張って言える立場なら。
せめて穏やかに過ごせるのかしら。
「ギョンスは・・・私に早く結婚してほしいの?」
「ヌナが幸せになるなら、結婚してほしいです」
目をキラキラさせて言うギョンスがとても眩しく思えた。
「私は今でも幸せよ。結婚したら・・・何かが変わるかしら」
「オッパとずっと一緒にいられますよ。赤ちゃんだって」
「そう・・・ね」
結婚したら、この家でギョンスと三人で暮らすか。
ユノと二人で暮らすためにこの家を出て、ギョンスを一人残すか。
いずれにしても、心配で。
それに私自身のキャリアを考えても、結婚がプラスになるのかはわからない。
こういう仕事は、誰かのものになってしまったらその価値は落ちるから。
だけど、私はユノを私だけのものにしたい。
やっぱり、結婚したい。ユノと、ちゃんと話をしなくちゃ。