東井義雄「いのち」の教え/東井 義雄

教育学者である東井義雄氏が、小中高生とその親に


向けた「いのち」の大切さと、生かされていることの真理


を伝えようとしたエッセー。


・大学受験に失敗した息子に父親が送った手紙


「おめでとう。幾らお金をつんでも、幾ら望んでも得られない、


尊い勉強をさせて頂いたね。お父さんは失敗したとき、これは


きっと、仏様が、お父さんの一番の問題点を、教えて下さった


のだと信じて、失敗を大切にして来た。


そして、自分が得意の絶頂に立った時、どこかに泣いている


人があるということの考えられる人間になっておくれ」


失敗から学ぶこと甚だ多し。


また、健康で好きなことが出来る人生を歩めていること


自体が幸せで、生かされていると感じる。


自分のようになりたくてなれなかった人のことを慮れる人間に


なるという、人生の本質を実によく表した話だと思う。


他にも親子の絆、努力の大切さなど人生の本質を平易な


エッセーで氏が語りかけて来る。