今日はこんなニュースをNHKはじめ日本の報道で取り上げていた。
「聖書を抱いてなくなっていた学生」
「快哉を叫ぶガザ市民」
「ハマスが犯人を称えた」
「報復を求めるイスラエル市民」
日本のテレビの報道で流されるのはこんな調子。まるでガザ市民がテロ行為を喜ぶ心無い人たちで、「これからイスラエルが報復してもそれは仕方ないんですよ」と先に言い訳するかのように。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・一方、日本のテレビでほとんど報道されなかった事件も。
その場所では、先週の火曜日から3日月曜日朝まで大量殺人が行われ、115人~117人が殺され、負傷者は300人にのぼるそうです。
ところが、私は、昨日(3日)の早朝の日テレ ニュース、昨日の11時半からの民放各社のニュース、12時からのNHKニュース、今日(4日)の早朝の日テレ ニュース、11時半からの民放各社のニュース、12時からのNHKニュースを見ましたが、この大量殺人事件は、まったく報道 されませんでした。
今日の事件の日本の報道についてはこう書かれています。
「パレスチナガザ地区 での銃乱射・ミサイル 乱射・爆弾乱投下事件」
は、まったく報道 されなかったわけですが、
「エルサレム の神学校 での銃乱射事件」
はさっそく大きく報道 されています。
しかし、日本の報道以外、ABCとCNNの報道では、
一応
ハマスはガザ地区を支配する勢力だが、
その意見はガザ市民の声を代表するものではない。
これから報復と称して攻撃がガザになされるかもしれないが、
犯人はそもそもエルサレム市民であって、ガザ住民ではない。
とコメントされていました。
自分はNHKニュースと毎日のウェブサイトで大きく「神学校テロ事件」を報道しているのを見たわけですが、
日本でだけいらぬところにまで余計に尻尾を振っても「報道の公平性のなさ」が際立つだけで、誰も感心してくれる人はいないでしょうね。
ただ、報道されていないことは「なかった」ことになってしまう幸せな人たちにとって、これから「政府」が「イスラエルの(予想される)報復」に賛意を述べるのが妥当であると感じることの裏打ちにはなると思います。
今日の読売のウェブサイトにはこんな記事もあり、「神学校のテロ事件」に関しても「国内のテロ報復に対する圧力」と声高に言わないだけでもほんの少し良心を感じられました。
【エルサレム=三井美奈】アムネスティ・インターナショナルなど8つの国際支援団体が6日発表した報告書によると、パレスチナ自治区ガザの人道状況は、イスラエルによる占領が始まった1967年以降、最悪となった。
同報告書によると、ガザでは人口の約4分の3に相当する110万人が、国連などの食糧支援に依存している。電気や燃料の不足で、病院では1日8~12時間の停電が常態化している。失業率は約40%に達し、特に民間部門の労働者は約70%が失職したという。
ガザは物資やエネルギーの大半をイスラエルに依存しているが、昨年6月、イスラム原理主義組織ハマスが武力制圧した後、同国は人道物資を除く物流を差し止めた。さらに、先月末には、同国軍が対イスラエル攻撃を続ける武装勢力を掃討する目的でガザ攻撃を強化し、パレスチナ人約120人が死亡。死者の半数近くは一般住民だったとの報告もある。
(2008年3月6日22時52分 読売新聞)