映画の「いつか眠りにつく前に」を見ました。

「In Her Shoes」でキャメロンのお姉さんを演じていたトニ・コレットが、

「妹」の役で、

まるで「In Her Shoes」のときのキャメロンのような性格、

というか性質を持った人を演じていたのが、印象的でした。

姉妹が登場する映画においては、

姉はわりとしっかりしていて、

妹は奔放もしくは不安定タイプ、というのは定石である。

実際の世の中ではどうか知らんが。

例えば「幸せになるための27のドレス」とか、

ドラマですけど「4400」のダイアナとエイプリルとか、

コウダクミとmisonoとか(謎)。

でも、そのトニ・コレット、

世界に対して混乱して不安で迷っていたはずなのに、

妊娠して、子ども産むことを決意した途端に、

ギュンッ!と成長して、急に満たされちゃった感じ。

あらー、置いてかれちゃったー、とフヂヲは思ったね。

ついでに言うと、周り(姉)も、

相手が妊婦だと知った途端、手のひら返したように優しくなるし。

結婚でもしたら落ち着くよー。

子どもでも持ったら落ち着くよー。

的な、ね。

そんなんで問題が解決するか、ボケー!!とフヂヲは思うのだが、

実際は、なかなかどーして、落ち着くものなのかもしれん。

ま、フヂヲには全く関係のない世界のハナシなんですけど。


ちなみに私、クレア・デーンズけっこう好き。

顔と、低めのちょっと変わった声が。

なんだか、映画を見進めていくうちに、

若かりし日のアンを演じているクレアと年老いたアンが、

同一人物に見えてきたよ、フヂヲには。

似てる、とフヂヲは思ったのだが。

アンは、死の床にあって、

遠い昔に一瞬だけ燃え上がった恋のことを思い出して、

もしあのときハリスと一緒になっていたならば、

と回想&夢想するわけですけど、

結論として人生はそのままで完璧だから、

ハリスと一緒になってたら正解の人生だった、というわけではなく、

ハリスと一緒にならななくて、

歌手として成功しなくて、

結婚に二度失敗したから不正解の人生だった、というわけでももちろんない、

ということは、分かる。

分かるんだけど、

死の淵でハリスのことを思い出すアンにとって、

私の人生これでよかった、と断言させる材料があるとすれば、

それは、

ハリスも死ぬ直前でアンのことを思い出す、ということを知ること、

なのではないかと思ってしまう、フヂヲは。

だって、自分だけが過去を振り返って後悔したりしてるのに、

相手は全く何も想ってない、なんて、

イヤだよ。

でもなー、多分、ハリスは死ぬ直前で自分の人生を振り返ったとしても、

思い出さないだろうね、アンのこともライラのことも。

あのテの男は、大人で医者で見た目がいい、ということで、

たくさんの若い女たち(ついでに言えば男も)をたぶらかし、

手篭めにして遊んで、

お互い大人で同意の上でのことですから~、とポイっと捨てて…、

というのを繰り返すのだが、

その中で最もしたたかでタイミングよく妊娠できた女と結婚させられるタイプだよ。

なので、、ハリスにとって、アンみたいな女の子はきっといっぱいいるだろうから、

アンのことを特に思い出す、ということはないだろうね。

でも、ハリスなんてその程度の男だったんだから、

一緒にならなくて正解だったんだよ、とアンに言いたくなるフヂヲなのでした。

自分の子どもにバディなんて名づけちゃうような軽薄な男ですから。

相手の心をいつまでも支配する術を知っていて、

悪びれもなく実行しちゃうような残酷な男ですから。

でもさ、実はアンもちょっと悪い。

バディに対して、弟的な存在と思ってるからとっても親しくしてた、としても、

なんて思わせぶりな態度。

バディの気持ちに全く気づいてなかった、なんてあり得るのだろうか。

きっと見て見ぬフリをしていたんじゃないかね。

ま、それもあって、

バディの死に対して悔やんでも悔やみきれない部分もあるのだろう、きっと。

バディが死ななかったら、全ては変わってただろうしね、うん。

って、そりゃそうなんだけどさ。

でも、彼が死んだのって、偶然車にはねられたから、であって、

ストーリーとか登場人物とかと直接関係のある原因ではないんだよね。

唐突に死んじゃうの。

だから、もしあんな偶然が起きなくてバディが死んでいなかったら…、

と考えてしまう余地は、より大きくなるのではないか、と。

ま、実際、ヒトの死なんて突然訪れることのほうが多いのかもしれんが。

ベッドの上でたくさんの人たちに見守られながら、よりもね。


で、結局、

フヂヲの言いたいことは、

フヂヲがいちばん共感したキャラクターはバディでした、

ということでした。


ついでに言えば、

アンは「キャントストップ」タイプで、

ライラは「愛のままで…」タイプである、たぶん(一つ前の記事参照)。