一月十一日は、大阪の今宮戎の日。
【えべっさん】と大阪人に親しまれてます。

父は、商売繁盛のえべっさんが、大好きだった。

認知症になるまでは、毎年行っていた。場所的には、大阪でも治安の悪い場所にあるのだが。

父は、このえべっさんで、金太郎飴を買い、近くのお店で企業から余剰になり安く売られた手帳を何冊も買い求めたり、日めくりやカレンダーなど買うのが楽しみだったようだ。

姉が嫁いでから、姉の家に『えべっさんに行こう!』と電話がかかって来たことがあるそうだ。
父と証券会社に行きその後映画に行って、えべっさんに行ったと言う。


私は母親とも、一度しか映画を見に行ったことない。
そう言えば父とは、一度もない。


自宅では、認知症になりながらも、
ニューシネマパラダイス、ヒッチコックの間違えられた男、226、鉄道員などをみた。

私は鉄道員のサントラ盤を聴いてこの映画が見たくなった。子どもが主人公の映画が大好きな私。
イタリアのネオリアリズムのモノクロの鉄道員には、父は懐かしがった。


父は、青年時代アメリカの西部劇などを主に映画館に見に行っていたらしい。映画館で財布をすられた話もしてくれた。
古くは、ミッキーちゃんやベティちゃんの映画なども見たらしい。

アメリカには当時、MGM、パラマウント、ユニバーサル、21世紀フォックスなど六社あったらしいが、それもそらんじていえるほど映画には、詳しかった。

父がこれほど映画に詳しいとは、父が認知症になり二人暮らしになってから知った事だ。


もちろん、その頃の映画スターにも詳しかった。

父は、チャールズ・チャップリンが大のお気に入りだった。

チャップリンが日本に来た時、奇しくも、犬養毅首相暗殺の5・15事件と青年将校のクーデター2・26事件の両事件に巡り合わせた奇遇も知っていた。

往年の名俳優、《益田喜頓》という役者もサイレント時代の喜劇役者、《バスター・キートン》から命名されと父が教えてくれた。


西部劇のゲーリー・クーパーも好きだった。

私は、背の高い“アメリカの良心”と言われたジェームス・スチュアートがお気に入り。

このジェームス・スチュアート氏は、米プリンストン大学(ブルック・シールズもこちらの大学)卒の秀才で、
【裏窓】【ロープ】【めまい】【知りすぎた男】などヒッチコックの映画にも数多く出演している。


フランク・キャプラ監督の
【素晴らしき哉!人生】
は、クリスマスの定番。とっても素敵な映画です。。


ジェームス・スチュアートは、ハリウッド映画界において、最初の伴侶と添い遂げた稀有な俳優。彼の誠実さだろうと思う。

キム・ノバクと共演した【めまい】
は、私のお気に入りの映画の一つ。

可憐なキム・ノバクの二役。なんともミステリアスな最後の結末が圧巻な素晴らしい映画です。


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父が貼ったえべっさんのチラシ。
取れかけてもテープで止め直し大事に残してある。

今、偶然ラジオから父が好きだった霧島昇氏の『誰か故郷を思わざる』がかかっている。

あぁ、追悼、はびちゃん!


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