宙組『神々の土地/クラシカル・ビジュー』千秋楽から明けて、2日が経とうとしています。

昨日 2017年11月20日(月)は、なぜかずっと『Cheek to Cheek』が脳内ぐるぐる。

かの曲は、朝夏まなとトップ就任プレお披露目『TOP HAT』の挿入歌。
サヨナラショーでも歌われましたね。

『TOP HAT』初日……まぁ様がトップスターとして舞台に立たれた初めての日。
梅田芸術劇場の客席には、花組生と雪組生が大挙して観劇に訪れました。

終演後の挨拶で、ひょいと身を乗り出し、

「花組と雪組のみんな、ありがとう」

…と仰ったまぁ様の笑顔が、今も鮮やかに思い出されます。

客席(下手サイドブロック)には、いまや雪組トップとしてお披露目公演中のだいもん(望海風斗)の姿も。

そして、花組トップコンビ(明日海りお&花乃まりあ※2015年3月当時)の姿が、センター前方に。
遥か後方から、明日海さんの後頭部を拝んだものです。(←不要な情報)

明日海さんは、朝夏さんの退団公演をご覧になれぬまま…だったのでしょうか。
私が知る限りですが、観劇された目撃情報がないまま、閉幕を迎えました。

トップになると、稽古・公演期間とも、休日・休演といえ、実質的に休みなしなんだろうなぁ…と想像しています。
(実態は存知あげませんが、そうしないと不可能なお仕事量ですよね)
公演(稽古)がなくても、取材や収録など、他の仕事がガンガン入りそう…。

何らかの形で、明日海さんが朝夏さんの退団公演をご覧になられた事を願ってやみません。
それが映像越しであったとしても。

今秋、宙組と花組は、東京で公演してはいたのですが…。

閉幕後の宙組上演期間中、『ポーの一族』制作発表会で上京されたものの、取材等でパンパンのスケジュールだったのは、想像に難くありません…。

私が観た一回分でも、みりお様にお譲りしたかった…! 

(…って、主にB席でしたが)
(座席より、お時間が足りないんですよね、間違いなく)
(お時間を差し上げられるなら、差し上げたい…!)
(私の持ち時間でよろしければ、喜んで)

宙組『神々の土地』は上田久美子先生が手掛け、8月~11月にかけて本拠地と東京の宝塚劇場にて上演。

花組『ハンナのお花屋さん』は植田景子先生が担当され、10月に東京・赤坂で公演。

上演期間が重なった『神々』と『ハンナ』
両方の舞台で、同じ曲が流れていた事にお気づきでしたでしょうか。

私の聞き間違いでなければ、ロシアを代表する作曲家チャイコフスキーの『花のワルツ』が使われていました。

『花のワルツ』はバレエ組曲『くるみ割り人形』の中の一曲ですが、単独でも知られていますね。

三部構成から成り、華やかで美しい長調部分をAパート、切ないほろ苦さを感じる短調部分をBパートとすれば、A-B-Aという並びで進行します。
最後は大きなうねりとなり、大輪の花が咲きこぼれるような美しい曲。

『神々の土地』では、マリア皇太后の舞踏会で、ドミトリー朝夏とイリナ伶美が思いがけず再会する場で、Bパートが流れました。
(その前後の舞踏曲は、また別の楽曲です。二人が再会に気づき、差し向かい合うところだけ)

『ハンナのお花屋さん』では、フィナーレの総踊りで、大幅なアレンジが加わったAパートが起用されていました。

『ハンナ』では、父アベル(芹香斗亜)と息子クリス(明日海)が組んで踊る場で流れる曲、という見方もできます。
生前は溝を埋められなかった父子が、時空を超えて理解しあい、喜びを分かち合っているように見える、フィナーレでのダンス。
風雪に耐えたのち、一気に花ひらくような明るさに満ちていました。

『神々』でも、義叔母イリナ(伶美うらら)と甥ドミトリー(朝夏)は現世では結ばれる事なく、互いの気持ちを抑えていました。
期せずして再会してなお、驚きと喜びを懸命に抑える二人。
そこで流れた曲が、哀切な『花のワルツ』Bパート。

ドミトリー(朝夏)とイリナ(伶美うらら)
アベル(芹香斗亜)とクリス(明日海)

対照的にみえますが、実はどちらも現世では、本心のままに手を取り合えなかった二人なんですね。

ドミトリーとイリナは、互いの気持ちは痛いほど解りあっていましたけれど…。

奇しくも、それぞれの主演作で、ひとつの曲を分け合った朝夏さんと明日海さん。
まったく別々の作品で、たまたまの偶然でしょう。

ですが、繋ぎ合わせて一曲になるような分け合い方……こんな偶然ってある?…と、ゾクゾクしていました。
何かが呼応していたのでしょうか。

千秋楽の挨拶で、朝夏さん・明日海さんはそれぞれ、「公演期間は雨がよく降った」と仰っていました。

明日海さんは、お天気話は定番中の定番ですが、朝夏さんは珍しいことです。

それだけ、台風など悪天候が立て続けに襲ってきた公演でした。
東京の朝夏茶では、台風と重なりましたし。

ですが、お茶会がお開きになって、外へ出たら、雨が上がってました。
気象予報では、最も強い影響を受けると予測された時間帯に。

さすが晴れ男、すごすぎる威力でした。

朝夏さんは千秋楽挨拶で、「日比谷は戒厳令が布かれた」とトランプ大統領来日の余波についても、触れておられましたね。
トランプ大統領を見たら、朝夏さんを思い出すかも…なんて、それはないか(^▽^;)

戒厳令なんて言葉がとっさに飛び出すあたり、さすが軍人ドミトリー朝夏。

朝夏さんは表面に見せているより、ずっと繊細で、濃やかな心遣いをされる方だろうと思います。
今まで、『私たちが見たい朝夏まなと』を観せて下さった、まぁ様。

これからは、『私たちに見せたい朝夏まなと』で魅せて下さい。

イリナと同じく、敬礼したい気持ちです、隊長殿。

…そして、朝夏さんと明日海さんが一緒に過ごせる機会と時間が生まれますように。


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