宝塚を初観劇した高校1年生が、約半年後には音楽学校生に。
宙組『HiGH&LOW』(2022/08/27~11/20上演)を観劇し、衝撃を受けたわかなさん。
なんと、宝塚が女性だけの劇団だと知らなかったそう。
ゆえに、主演のコブラ(真風涼帆)も男性と認識したそうな。
おおぉ…!
男役は粋を極めたプロフェッショナル。
あらためて実感しますね…!
宝塚の過去作品を映像でみまくり、1ヶ月後に受験決意。
…この道筋、明日海りおを彷彿としますね。
明日海さんは中3の夏休み、バレエ教室のお友達が貸してくれた宝塚のビデオを見て衝撃を受け、「私も宝塚に入りたい!」
親御さんに反対され、3日泣き続けて意思を通した明日海さん。
音楽学校を受験し、一発合格。
これもひとつの強烈な恋ですね。
まさに人生を賭けた恋。
わかなさんも。
明日海さんも。
多くのタカラジェンヌ達も、
更に多くのジェンヌを目指した人々も。
※朝日新聞デジタル
有料記事ですが、4/13(木)20:20まで無料だそうな。
朝日新聞さん、ありがとうございます。
写真も2枚掲載。
腕が長くて、手指も長い。
手がかなり大きくて綺麗。
この時点で、手のニュアンスが素敵。
男役は肌をほぼ露出させません。
出ているのは顔と手くらい。
それだけに、手は重要。
大きな手は、それだけで包容力や色香を漂わせます。
お母様、わかなさんをハイロー観劇に連れて行って下さり、ありがとうございます。
真風さん、男役を極めて下さって、ありがとうございます。
いろんな連鎖から、新たなタカラジェンヌが生まれるんですね…。
∇ 111期生ファイト(^-^)ノ
(全文転載)
2023/04/12(水)19:00(斉藤佑介)
コロナ禍で、学校生活も青春もままならなかった時、タカラジェンヌが進むべき道を照らしてくれた。
その背中を追いかけ、15日、新たな門出を迎える。
「雷に打たれたような衝撃でした」
昨年9月、わかなさん(16)は母(50)と初めて宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)に足を踏み入れた。
舞台「HiGH&LOW」
きらびやかな衣装で力強く踊る「男性」の姿に目を奪われた。
「あの人は誰だろう」
主演・コブラ役の真風涼帆(まかぜすずほ)さん。
宙(そら)組のトップスターだ。
この時、わかなさんは愛知淑徳高校(名古屋市)の1年生。
宝塚歌劇団が女性で構成されていると知らずに見ていた。
その日を境にDVDや動画でほかの公演も食い入るように見た。
1カ月後。
「宝塚音楽学校を受験させて下さい」
両親に切り出していた。
タカラジェンヌを養成する学校。
驚きを隠せなかった両親だが、「今までにない真剣さ」を母は感じとった。
コロナ禍が始まったときは中学2年生。
休校になり、修学旅行も遠足も取りやめに。
習っていたバレエ教室も休講し、我が子が将来や夢を思い描けていないのでは…。
そう感じていた母は、「宝塚に出会って目の前が開けたのかもしれない」と考えた。
後押しすると決めた両親だが、入学は容易ではない。
受験資格は中学3年~高校3年の計4回。
選考試験は3次まであり、内容は面接や歌唱(課題曲など)、舞踊など。
例年合格者は、約40人と難関だ。
身長165センチ前後が「男役」と「娘役」の判断の目安とされる。
身長172センチのわかなさんは幼少からバイオリンやバレエを習い、部活では陸上競技に打ち込んだ。
だが、歌はカラオケでさえ、まともに歌ったことがなかった。
頼ったのが、声楽を教え、生徒を宝塚音楽学校へ送り出してきた名古屋市千種区の「フィオーレ音楽教室」の武田美保さん(49)
わかなさんを一目見た武田さんは「立ち姿、受け答えもしっかりで、声の低さも男役にぴったり」
朗らかで、ストイックな性格をすぐに見抜いた。
「結果を1回で出す人、10回でできる人、1万回の人とそれぞれ違う。ただ彼女は誰に言われないでも1万回の努力ができる人」と武田さんは評する。
週1回のレッスンに通い、録音した指導内容をもとに朝に夕に母を相手に歌唱力を磨いたわかなさん。
教室とは別に県外のスクールにも通った。
今年3月にあった第111期生の受験には、612人が挑み、競争倍率は15・3倍。
愛知県からは計6人が合格した。
宝塚のことも受験のことも、周囲には言えなかった。
同級生は韓国のアイドルグループ「BTS」やジャニーズなどそれぞれ推しがいる。
「私はもともと『推し』がいなくてそんなキャラじゃなかった」
少し恥ずかしかった。
合格が決まり、転校を告げた、この春。
泣いて別れを惜しんでくれた友人を見て、初めて合格を実感した。
15日、入学式を迎える。
腰まで伸ばした長い髪はばっさりと切った。
医療用ウィッグ(かつら)として役立ててもらうため、ヘアドネーション(寄付)した。
2年間、寮生活しながら歌やダンスのレッスンに励む。
「私は夢を与えてもらったけど、宝塚は、勇気や元気、楽しさ、思い出、すばらしいものを見る人みんなにプレゼントしてくれる魅力があると思います。私も、そんな人になりたい」
真風涼帆さんのような、時に「キザ」で、ゴージャスで、骨太の役を演じられる男役を思い描いている。
(斉藤佑介)