面白き こともなき世を 面白く | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



こないだすごく久しぶりに
わが心の友(ジャイアン的表現)健太と飲んだ


彼は男性には珍しくいつも何かしらの手みやげをくれるのだが、
それが女性特有の「気づかいしなくちゃ」というのとはちょっと違って、
何と言うか「これから会うあの人をちょびっと笑わせたい、喜ばせたい」
という使命感においてなのがいつもすごいなと思う。



というわけで、夏らしい手ぬぐいなども頂いたのだが
秀逸なのがこれだった





広野ゆうなのフーテンひぐらし-カレー


分かる人だけしか分からない、
「めしばな刑事タチバナ」5巻に登場し、
署のみんなが絶賛していた「いなばのタイカレー」だ!



これはあまりそこらに売ってるものではなく、
彼は何度か店に足を運んで
コンプリート状態にして私にくれたのである。



「ほんとは5巻の最初に登場するマカロニサラダを
 各スーパー、コンビニまわって片っ端から買おうと
 思ったんだけど、季節が季節なんでちょっと危険かなと思って

 こっちにしといた」とのこと。


あいかわらずのハイパーなサービス精神だ




私はよく手みやげやプレゼントに
「誰に贈ってもハズレがない、ちょっとこじゃれたモノ」なんかを
セレクトしたりするが、それって結局、相手が誰でもいいのである。


でも健太の場合は
「この人はこういうジャンルが好きだから、
 こういう共通の趣味があるから、そのツボに入る
 何かオモシロイ趣向はなんだろう?」
から入る


それは正直、とても手間と脳みそを使うことで、準備期間も必要なのだ



でももらった方は、その「自分のことを考えてくれていた時間」が
そんなに長い
、ということに感激するんだよね。



彼は先月結婚式をあげたのだが、
そこで地元の友人たちが彼のために
わざわざつくった新聞というのを一部もらった。


裏表ありの二枚、オールカラーで
新婦への詳細なインタビューあり、大量の友人コメントや写真あり、
健太が今までやってきた友人へのサプライズの紹介ありで
ものすごい充実したコンテンツ。ものすごいクオリティ。


これはきっと、彼自身が普段から
みんなに全力で捧げてきた「サービス精神」を
友人たちがめいっぱいお返ししてくれた結果だ。



定年退職する落語好きのお父さんのために
「フツーのお祝いじゃつまらないから」と
お父さんの独演会(もちろんお父さんは落語を演るのは初めて)
計画してしまったという話も聞いて



ああ私、かなり脳みそと感情をサボッてんな、と思ったよ



A地点からB地点に行くまでに
フツーにまっすぐ歩けばいいだけの話なんだが


それをフツーに歩いてるだけと


途中で踊ったり歌ったり、
新しい歩き方にトライしてみたりでは
同じ距離でも、彩りと濃度が違う



到着のB地点が「人生の終わり」だとしたら
それまでの日々の「なんでもない毎日」を
ただその通り「なんでもなく」生きてるのって
うーむ、もったいないと思った。




何かどでかいことをやるとか、そういう意味ではなくて


人に贈り物やお祝いをするときに
「今までやったことないサプライズ」を計画するとか


人と会うのに、ただ飲み会じゃなくて
「いっそ何かイベントやっちゃう?」とか


毎日家に帰ってくる旦那にただ「おかえりー」じゃなくて
毎回なんか面白い出迎えをしてみるとか



日々の営みに必ず「それどうやったら面白くなる?」
という頭をもつ、ということ。


いちいちワクワクして
いちいちワクワクさせてみるということ。



それは結局、習慣化して大きくしていけば
仕事のしかたも研ぎ澄まされてくるだろう。


「こういうキャンペーンだからまあ、普通こんな枠組みで」とか
「夏だからこういう表現で」とか
そういうのを自分に絶対許さない!みたいな。




「贈る」「伝える」「売る」「迎える」という行為自体よりも


その向こうにいるひとりの人間の心の中を
目を皿にしてきっかりと見て思う




それがきっと「大切に」「楽しく」暮らす
ということだろうな。



健太の他にも、日々舞台をつくっているますみとか
いつも何か面白いイベントを計画する美原あいとか
そして 毎度毎度これでもかと趣向をこらしすぎる氣志團とか 笑



そういうことをハタと気づかせてくれるひとが
わたしの周りには結構多くいるわけだ



仕事バリバリだったり事業を起こしていたり
そういう友もかっこよくて命賭けてて大好きだけど


大多数の人が「んなもん適当にフツーにやればいいじゃん」
という部分に命賭けてる友も確かにまた 私の人生の師であるとおもいました





余談

というわけで昨夜
「休日中日だから、2人で夏の歌を熱唱しようぜ!」
かなりはじめての提案をマーにしてみたところ、
「なんで嫁とわざわざカラオケを?」と断られたので
大いにふて腐れて、結果、マーが折れて決行した。


あのなあ、ボーリングからまぐろ漁にいたるまで
「嫁と今さらしなくてもいい」ことなんて、
この先の人生にひとっつもねえんだよ!!


夫婦だからこそ、いくつになっても色んなことを面白がるべきよね。


(まあカラオケってところがクリエイテイビティ低いね)