私が調査を行った「高校生」には、一つの共通する特徴があります。
それは「笑われる」事に対する不安です。
その不安の為に「学校でトイレに行けない」「意見を言えない」「友達もきっと陰で笑っているんだ」など、学校生活に支障をきたしていました。
それらの高校生の中には「社会不安障害」や「適応障害」の診断を受けている人も数名いたのですが、診断を受けていない子も症状は同じなのです。
つまり「見過ごされている」と、考えられるのです。


「社会不安障害」や「適応障害」は、性格と間違われやすいのですが、れっきとした病気です。
そして、問題なのは親や教師がそう言った病気を認識していない事なのです。

往々にして、そう言った子供は親を憎んでいます。
話を聞くと、何事も「無理にでもやらせる」「私の話をまともに聞いてくれない」「甘えているなどと怒られる」など、親の姿勢に問題があるように見受けられます。

そして、そう言う親は子供を精神的に追い詰めていたり、「うちの子に限って精神疾患などありえない」と、精神疾患を認めたがりません。
まあ私も人の子の親ですから、親の気持ちも理解できます。
人前で意見をいえなかったり、学校でトイレにも行けずに家まで我慢して来たりすれば「何をやっているんだ!」と思ってしまうでしょう。


実は、私の子供も今にして思えば「社会不安障害」だったかも知れないのです。
当時は、社会不安障害と言う病名すら全く知られておらず、私もそんな病気がある事を知らないので「何を甘えた事を言っているのだ!」と叱ったのですが、その時「過呼吸」になった事から「何かおかしい」と思い、強制するのをやめて、ヒントを与えて自分で悟らしたり、立場を変えて相手の感情や印象を理解させたり、見方によって世界観が変わる事を教える事に勤めました。
その結果、今では極度に緊張さえしなければ何の症状も出ていませんし、自分でコントロールする術もいつも間にか体得しています。


高校生からの調査依頼の際、こう言った「障害」の疑いがある場合、その人やその人の親に「障害があるかもしれない」などとは中々言えません。
その時に、自分の子供に教えたと同じ事を教えると、かなりの効果が現れる場合が多く、数人の自殺志願者もこの方法で立ち直っています。
しかし、人の意見に耳を貸さなくなるとこの方法は通じません。
具体的には「統合失調症の急性期」や「慢性化している統合失調症」の場合は全く通じません。


注目すべき点は、社会不安障害の生涯有病率が3~13%と、非常に高率な所です。

統合失調症が0.8%で、これでもかなりの高率なのに、その約3倍~13倍なのです。




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