幼年期の社会的参照と言う物は、その後の社会性に大きな影響をもたらす。


まず社会的参照とは、”社会的参照とは、他者への問い合わせとも言う。乳児期における情動的やり取りは情報としての価値を持っており、1歳前後では、行動決定に迷うような曖昧な状況では、大人の表情を手がかりにして承認を求めた上で行動化すると言う事。
自我発達の初期において、そのような周囲の大人は、一般化された他者と区別され、重要な他者(意味ある他者)と呼ばれている。”(”内はコピペ)


つまり、この時期の周囲の大人とは「親」の事である。

パーソナル障害や躁うつ病の人に、この社会的参照が欠落している人が多い。
例えば「他人から物をもらってはいけない」と教えられている子供は、誰かに何かをくれる時に親に承諾を求める。

つまり、「承諾が必要」と言う事を認識する訳だが、ネットの中で見られる「乗っ取り厨」や「押しかけ厨」には「相手の承諾」と言う認識が無い。

自己愛性や境界性などの人格障害を持つ人の人間関係に関するトラブルで多いパターンだが、許容と許可の認識を取り違えている人が多い。

許容と許可を取り違えると後に必ずトラブルになる。

例えば、本来許可を取らねばならない事は世の中に沢山ある。
対人関係で許容範囲内の些細な物であれば、許可を取らなくても許容される場合が多い。
しかし、最初は些細な事と言って許容されていても、調子に乗って続ければ相手の許容範囲を超える。


典型的な例だ。


対人関係で相手に最初は1までの事を求める。
それが通ると次は1.5の事を求める。
すると、1.5までの事はこの人には許されると思い込み、それが当たり前の事と勘違いを始める。
次は2までの事を求める。
そしてそれも許容されると、2までの事が通るのが当たり前だと思い込む。


しかしそれは、相手の許容範囲内と言うだけだ。
そして、2まで通れば3、4とエスカレートして行く。

許容範囲に近づけば、相手の言葉が刺々しくなって来る。

そんな事が続けば当然相手は許容範囲を超える。

相手が許容範囲を超えれば、相手にされなくなるか、いい加減にしろと言う言葉が出て、それまで許容されていた0~の事も拒否される。


0~の事が当然と思っていれば、急に態度を変えた相手を許せなくなり、暴言を吐く。
暴言を吐けば、売り言葉に買い言葉でエスカレートして行く。
しかしそれは、それまで相手に許容されていただけであって、本来は0であり、0~の部分は本来は相手にとっては迷惑な事である。


また、多数の人の許容を当然の事と思い込んでいれば「自分は特別」と言う意識が生まれる。
他人に許容されているだけと言う事を理解出来ないでいる。
そして相手に突き放されると、それまで仲良く見えた相手を敵対視して攻撃的になるか、相手の言葉の変化を察知して好かれようとする行動を取ったりする。
好かれようとする行動とは、プレゼントだったり、謙虚に見える行動だったりするのだが、押し付け的なものが多いのだが、それは別離不安 から来る物である。


こんな事を繰り返している場合が多いのだが、その原因を自分に求める事はない。


こう言ったタイプの人は、私が今まで見て来たパーソナル障害や躁うつ病などの人に多く見られる。

これは、今まで書いてきた「危険の認識 」「人間の別離不安 」「自己認識 」「自己認識2 」「協力と分け合い 」等の総合的欠落として見る事が出来る。


実験とか文面にすると長くなるが、単純化すると

胎児の頃は母親の胎内にいる為に「無(0)」―考える必要がない

出産で生まれて来た段階で「点(一次元)」―寝返りなどで上下の感覚の習得

お座りで物を取ろうとして転ぶ「自分を中心とした世界の認識」―定規に目盛を入れて物差しを作る作業

ハイハイで平面移動が出来るようになった時点で「面(二次元)の認識」―基本的な物差しの使用

つかまり歩きや二足歩行で「立体(3次元)の認識」―二次元から三次元への転換

自己認識の時点で「単独での空間認識」―空間の認識と空間の中の自分の発見

他人との関係で「複数の空間認識」―空間の中の自分と他人の認識

実に数学的な思考の発達だ。


この時期を空間を認識する物差しを作る時期と考えると、狂った物差しでは正しい空間認識や距離感が育たない。

生まれてからの空間認識を人間のBIOSとすれば、性格がOSになり、その後に学ぶ学問はアプリケーションに当たるだろう。

幼年期に作られる距離感と言う物差しが狂っていると言う事は、BIOSにバグがあるという事になる。

BIOSにバグがあれば、どんなに高度なOSやアプリケーションも正常作動しないと言う事だろう。


バグの度合いによって、その後のOSやアプリケーションの誤作動の度合い頻度が変わるのだと思う。


私は、社会問題になっている「いじめ」「ヒッキー」「モンスターペアレント」「自称集団ストーカー」「押しかけ厨」「乗っ取り厨」「精神疾患」「自殺」「理解し難い犯行」等の全ての原因がここにあると思う。

そして、それは親から子へ伝播して行く。



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