社会的参照 の後半で書いた、空間認識が健全に育たなかった人の具体例だ。


同じ空間に複数の個体がある場合、お互いに不快を感じない距離を把握する事が必要になる。

犬でも猫でも警戒範囲と言うのを持っていて、警戒範囲に入ると威嚇されたり、逃げて行ったりする。

人間でも同じだ。


初対面の人がいきなり近づいてくれば、誰でも警戒する。

そんな時は、最初に声をかけたりして、近くに行く事に対して許可(宣言)を求める。

表情も変えずに、何も言わずに自分の方へ向ってくる人には、誰しもが恐怖を覚える。

これが、距離感だ。

そして、それは物理的な距離以外にも精神的距離(空間イメージ)がある。


空間認識が未発達な人は、この距離感が欠落しているし、社会的な立ち位置も把握できない。

その為に、平気で他人の警戒範囲に入ってくる。

また、そう言った場合、別離不安も抱えている場合も多い。

こう言った場合に多いタイプは、少しでも優しくされたり、社交辞令を真に受けたりして、初対面であっても昔からの友人であったかのように馴れ馴れしい態度を取る。

そこで距離を置こうとすると、別離不安で見捨てられる恐怖からすがり付いて来たりする。

そう言った人は敬遠されるが、本人には何が原因か分からない。


そして幼稚園や小学校の時にこう言った事を体験すれば、何処まで近づいて良いのか分からない為に、コミュニケーションが苦手になる。


これが、異性間であればかなり許容される面もあるが、同姓間では心底嫌われる。

その為か、そう言った人には同姓の友人は極端に少ない。


また、社会に出ても、日も浅い新人でありながら、先輩の社員や上司を批判したり見下す態度を取る。

それは会社と言う空間で、自分が何処にいるかと言う空間認識が欠落していると思われる。

そして、そう言った人物は当然の事ながら敬遠される事になるのだが、それも簡単には行かない。


あるデパートでの実例だが、ある女性の社員が入社して来た。

そして、最初に指導する事になった社員に「擦り寄って」来た。

その摺り寄り方は、他の社員を見下す話が多かったので、指導をしていた社員は、その事をたしなめ、突き放した。

すると、別の社員に「あの人は、あなたの事をこんな風に言っていたわよ」と、告げ口をする形で擦り寄って行った。

その内容は「あなたの方が私の指導員にふさわしいのに、何故私があんなに人に・・・」と、自尊心をくすぐり、「あの人は、あなたの事(すばらしさ)を何も知らない人だからよ」と言っていたと告げていた。

それは全て、作り話だったのだが、確実にその社員に「疑心」を与えた。

そして、社員間に亀裂が生じ始め、派閥のような物を作ってしまった。

最初に指導をしていた社員の派閥では、そんな事は気にも留めていなかったのだが、対する派閥は何かに付けツンケンしていのだが、次第に問題の新入社員は本領を発揮し始める。

深夜の長電話などが始まり、その派閥の中でもそれぞれの社員に有る事無い事を風潮した為に、さすがに異常さに気付き、敵対視していた社員に相談して、最初の相談員から聞いていた話が嘘で有る事を知る事になった。

その後は、その新人は孤立し、一人で壁を見つめて独り言を言うようになり「転職します」と言う理由で退職したのだが、鬱病で入院。

退院後、就職したらしいのだが、就職先からそのデパートの職場に電話が入った。

内容は「あの人どんな人でしたか?何かこう何と言うか・・・」

同じ事を繰り返していたらしい。

このパターンは、新人社員の異常性に気付き、新人社員が辞めて言ったケースだが、異常性を持った人が生き残るケースもあるが、それは別の機会に書くことにする。


こう言った人が一緒にいるだけで、周りの人が受ける精神ストレスは半端ではない。

上司なども、水面下で広がっている為に中々気付かないし、その上司を敵対視させる為の話もする為に、上司の耳には中々届かない。

気づいた時には泥沼化している。

これが、学校のクラスだったら?・・・

先生は、生徒から話を聞くと悪口を聞いている様で、にわかには信じられないだろう。

当然当事者(異常者)は、自分に都合のいい事しか言わないので、その子の主張を半分聞いたとしても、実際には8割~9割は当事者寄りになってしまう。

それでも、当事者にとっては許せないほどの仕打ちに感じる。

集団ストーカーのキーワード編集合戦やWikipediaの編集合戦での「一行でも変更されたら許せない」等の傾向が代表的である。


私も職場で似たような体験をした事がある。

そんな時、上司から話を聞かれた場合、事の顛末を話そうとした場合、正確に話そうとすると全てが悪口になってしまう。

しかし、話さないと自分が悪く思われてしまう。

話しても、悪口としか聞えないだろう。

実に厄介である。

私は、自分が会社を辞める事にした。



余談になるが、例の「集団ストーカー被害者」の警戒範囲は常識外の広さを持っている。





集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都