動物の飼育で色々と育児方法を試している 」での冒頭で、2匹の猫の育て方の違いを書いたが、その育て方の違いのコンセプトは「序列」である。


犬には序列意識が存在するが、単独で生活する猫には「序列」と言う意識が薄い。

その猫に、序列と言う意識を植え込む方法として、徹底的に育て方に差を付けたてみた。


実はこれ、昔飼っていた犬に教えられた。

高校時代、チャンピオン犬の子供(スタンダードダックスのブラックタン)を貰った。

さすがに威風堂々とした見事な犬だった。

その犬は雌だったので、雄のダックスを飼う事にしたのだが、少しお間抜けな顔をした犬で、少しガニ股気味だった為、待遇に差が生じた。

つまりひいきである。


まずここが一つのポイントである。

先にいた犬、後から来た犬、犬社会では先にいた犬の方が序列が上になる。

その為、この時の「ひいき」は犬の社会性に合致していたので、新しい犬も卑屈になる事は無く、犬同士の関係も犬と人間の関係も良好だった。


そして妊娠し出産、6匹の子犬が産まれた。

その子犬の1匹が、病気になり顔中膿みだらけになってしまった。

母犬は、舐めてやろうとするのだが、舐められると痛がり、次第に母犬はその子犬が近付くと威嚇するようになってしまった。

病気の子犬は、看病が必要だったため、母犬を離す事になった。


ここで、犬社会の秩序が崩れる。

病気の子犬と言う、犬社会では一番序列の低い者ばかり優遇され、一番序列の高い犬が虐げられる結果になってしまった。


その結果、母犬は鬱病を発症、美しかった毛並みの面影も無くなりハゲまで出来る始末、そして病気の子犬が序列のトップになってしまった。

その子犬は、人間で言えば自己愛性人格障害と化し、父犬や残った兄弟に対しワガママ放題。

その犬が膝に乗っている時に、他の犬が甘えてくると牙を剥いて威嚇し、ジャーキー等をやる時も自分だけ貰おうとして、他の犬を威嚇していた。


結局、母犬もワガママ犬どちらも短命だった。

その後に犬の生態の本等を読んで、飼育方法の間違いに気付いた。

離すべきは子犬の方だった。



人間社会も、犬や猿と同じ様に序列があった。

今その序列が失われている。


恐らく、序列は集団生活を円滑に行う為に必要な物なのだろう。

平等とか、能力主義と言う物をもう一度見直す必要があると思う。


能力主義、若い者にとっては魅力的な言葉だ。

誰でも会社に入った当時は成績を上げようと頑張るが、年を取る毎に疲れて来る。

若い者には敵わない。

若い者は疲れた年配者を見て、見下したりする。

しかし、若さは何時までも続かず、年と共に疲れて来る。

そして、自分も次の世代に見下される。


これが序列が崩れた社会。

昔飼っていたワガママ犬と母犬のような関係。


今の猫は、その逆をやっている。

前の猫が死んで、新しい猫を飼う事に決めた時にプランを練った。

まず、生後1~2週間の子猫を探し、触れ合いを基本とした人工飼育をして1匹目を育て、72週以内に2匹目の子猫を探す。

2匹目の子猫がどんなに可愛くても、常に先住猫を優先し、猫にも序列を強いている。

もう一つの確認実験の為に、2匹目は当初から迫害の経験のある子猫狙い(動物愛護センターで保護された猫)


当初の狙いとしては、先住猫に、新しい猫が来ても、新しい猫を可愛がらずに、先住猫だけを可愛がる事で、自分の待遇に変わりが無い事を態度で示してやる。

待遇に変化が無ければ、先住猫は新しい猫を警戒しないと想定していた。


新しい猫にしても、貰われて来るまで可愛がられた事が無いので、可愛がられなくても待遇に変りは無い。

逆に、環境が変わって警戒する猫に、自分の何倍もある人間に摑まれれば恐怖を覚えるだろう。


猫にもミラー細胞が有るから、私と先住猫の関係を見せていれば必ず真似をする。

問題は、2匹目を飼うまでに、先住猫としっかりとした信頼関係を築いておく事。


後は、方針さえ間違わなければオートマチックのはず。


それを実践したのだが、今の所全て思惑通りに進んでいる。

後は、親離れの時期と、虚勢避妊のタイミングだろう。

(本当は虚勢や避妊は出来るだけ避けたいのだが、そうも言っていられない)



そして、もう一つの確認実験とは、心に傷を持った子猫の心の傷の回復である。

心に病を持つ人と猫は実に良く似ている。


猫はストレスに弱い動物で、ストレスが溜まると色々と問題行動を起す。

猫はストレスが溜まると、下痢、嘔吐、食欲不振、抜け毛などの症状が出る等の身体症状が出たりする。

人間で言えば自律神経症状。


そして、激しい毛繕いやマーキングをしたり、家具などでの爪とぎや、物をひっくり返して歩いたり、飼い主に噛み付いたりする。

人間で言えば家庭内暴力。

また、怖い思いをしたりすると引き篭もったりもする。

犬に比べ、猫はストレスによる問題行動が起こり易い。


そして、鬱病等の人に対する接し方と、猫の飼育方法もほとんど同じである。


今まで相談を受けて来た人への助言や指導の基本は、コミュニケーション能力の育成と序列意識を身に付けさせる事で、言葉は悪いが猫的な性格の人の「犬化」である。


性格の犬化が成功した人は、再発の予兆も出ない。


犬や猫から学び、人間で効果があった事を、今度は猫にフィードバックさせて見ようと計画。

まあどうせ2匹飼うのなら、今までの失敗や経験を生かす実験を兼ねるのも悪くは無い。


それで、2匹ともストレスに強く朗らかな猫になってくれれば言う事は無い。

この思惑が正しかったのかは、実際の所分からない。


検証するには繰り返し実験をして同じ結果が出ない事には証明されない。

しかし、新しい猫のランは、愛護センターで保護されていた時とは別人格と言うか、別ニャン格になっている。

環境の変化に弱く、環境が変わると餌を食べなくなり、ゲージの中のほかの子猫と遊ぶ事も無く、孤立していた猫が、よく遊びよく食べる猫に育っている事は確かだ。






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