学生時代のとある夜、眠りから覚めた私は体が動かない事に気が付いた。
つまり金縛りである。


何とか抜けようと色々考えた挙句、思いっきりの力を込めて起き上がれば抜けるのでは?と考えた。

そこで頭の中で「せーの」と声をかけて全力で起き上がってみた。


すると起き上がることが出来たのだが、後ろを振り返ると自分が寝ている。

「え!?」

起き上がった上半身だけ、体が抜けて腰の部分でつながっている・・・蝉の脱皮か?


抜けていない下半身は金縛りのままで、まるで下半身麻痺の状態である。


これは困った!
考えた末、同じ状態に体を入れ込めば戻るのでは?と考えてやってみた。


戻った。

しかし全身金縛りの状態に逆戻り。

何とかベッドからずり落ちている手の指を動かし、ラジカセのスイッチを押し音を出す事に成功!
音と同時に金縛りから開放された。


※金縛りは少しでも音を聞くと抜けれます。



金縛りは予兆が有る。

必ずキーンと言う耳鳴りが始まり、その耳鳴りが風船が膨らむように脳全体に広がり最高潮に達すると金縛りに陥る。


まあ、恐らくはレム睡眠で意識は起きて体が寝ている状態なのだろう。

恐らく目も閉じていて実際には目では何も見ておらず、脳が見せている幻影なのだろう。


しかし、それを心霊現象と考えればファンタジーな世界でもある。


ただ、もう一つの考えもある。

それはユングの唱えた集合的無意識の世界。

それは、昔読んだ理論物理学の一つ「スーパーストリングス理論」で提唱されている4次元以上の高次元に似ている。

ビッグバンは4次元までの世界と4次元以上の高次元の分裂で、分裂した高次元は4次元までの世界に吸収され、全ての物質の根底でつながっている。


まあ立証される事の無い理論なのでそれもまたファンタジーなのだが、あえてファンタジーを展開させると、命とか魂とかいった存在は、その高次元の存在なのかもしれない。

死んだら無に帰ると考えると虚しいが、その高次元が死後の世界と考えると、死後の世界を見るのが楽しみに思える。


命は不思議の塊。

人間と言う存在の命、その人間は60兆個の細胞で出来ていて、その細胞一つ一つも生きている。

実に摩訶不思議アドベンチャーな世界だ。






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