報道特集で「ひきこもり訪問支援の現場」と言うのをやっていた。

その中で、高校時代に管理教育がひどく、追い込まれて精神的に病んでしまったと言う14年間ひきこもりを続ける32歳の男性の映像を見て色々と思う。

その男性はひきこもる様になってからうつ病を患い、今まで働いた経験は一度も無く、今も投薬治療を続けていると言う。

その男性が医者から薦められてやっているのが「農作業」で1年前から続けていると言う。

そして一人で鍬を振るう姿が映し出されていた。


・・・・多分、それだけじゃ駄目だな。

私も相談者に対して農作業と言うか、菜園などは勧める。

理由は、精神的な病などを患うと、脳神経細胞が萎縮している。
脳の神経細胞は五感からの刺激で活性化される為、萎縮した脳の神経細胞を復活させるには農作業は非常に適しているからである。

しかしそれだけでは駄目なのだ。

神経細胞自体は復活しても、神経細胞が繋がりを持ち神経ネットワークを形成するには至らない。

この人が農作業と同時にすべき事は「共同作業」である。

両親と祖母の4人暮らしとの事なので、まずは親が一緒になって農作業をする事だろう。

まずは親、そして他人へとステップアップしていく事だ。

それは遺伝子に刻まれた成長過程がそうなっているからで、32歳の大人だからと言ってそこをスキップ出来る訳でもない。

これは「社会性」を得る為の過程とも同じで、社会性も親との愛着を育み、その愛着を他人に応用させて他人への信頼を感じ、その信頼が社会性となる。

親子の愛着が育っていない者は、応用すべき物が無く社会性を得られない。
社会性を持てない者に社会性を持たせるためには、親もしくは親に代わる存在との間に愛着を育ててからでなければ、社会性を持つことは出来ない。

これと同じである。

そして脳神経の繋がりやネットワークが、そのまま現実世界のつながりや人間関係に反映される。

こうした問題は、現在の問題その物を見るのではなく、成長過程に目を向け見直した方が問題解決の糸口が見えてくるように思っている。