今、黒オスが子猫を教育中ななのだが、観察していると実に興味深い。

それを象徴する写真がけれだ。



子猫は黒オスの背後から迫っている。
黒オスの耳は後ろを向いているので、黒オスは子猫の接近を把握しているのが分かる。

つまり、あえて背後を取らせている。

恐らくそれは信頼の証で敵意の無い事を教えているのだと思われる。

黒オスは最初、背後から接近する子猫に威嚇をかましていた。
恐らくそれは背後から近付くなと言う指導。

それからも背後から迫っていた子猫だが、少しだけ気遣いが感じられるようになった。

黒オスが気付いていなければ途中で引き返し、黒オスが気付いていればそのまま接近するようになった。
気付いているかどうかは、耳の向きで分かる。
また、黒オスが気付いていない時は、一旦引き返して爪とぎで音を出してから再接近する様になった。

それ以降、黒オスは子猫に背中を向ける様になったのだが、尻尾の先を誘うかのようにゆっくりと振る。

その尻尾につられて小猫が近付くのだが、音を出してから忍び足で近付く子猫に威嚇はしない。
威嚇をするのは、小猫がマナー違反した時だけの様だ。

これって、黒オスが子猫を躾けてるのだろうか?


面白いのが灰猫の行動だ。

ビビリで子猫を解き放っている間、屋上に避難している灰猫が、子猫の隙を見て部屋に来る様になったのだが、背後から迫られてビックリして威嚇。
しかし、以前は脱兎の如く屋上へ逃げて行ったのだが、最近は高い所に登り威嚇しながら見ている。

階段の下で黒オスが子猫を教育している姿も、階段の上から眺めている。
洗濯物などで死角になっていると、階段の手すりを伝って見に行く。

恐らく、状況を観察して分析しているのだろう。

なので、灰猫が観察し易い様に室内干しの洗濯物を撤去して視界を確保してやった。

黒オスは、私が人工保育で手取り足取り教えた猫、灰猫は黒オスが自分の行動を見せて教えた猫、その違いがこの二匹の子猫に対する対応の違いとなって出ていると思われる。



子猫を見ていると面白い事に気付く。

黒オスの背後から迫り、何度威嚇されても黒オスの後ろを付いて回る。
子猫立ち入り禁止にしている私の部屋で黒オスが休んでいる時、子猫は必ず人間の傍に居る。

恐らく寂しいのだと思うのだが、寂しいで片付けていたらそこで終わりだ。

何故寂しいのかを考えると寂しさの原点が見えて来る。

もし自分の数倍もある黒オスが本気で喧嘩すれば子猫はひとたまりも無いだろう。
それ故、一人でいる事が怖いのだろう。
だから守って貰いたいのだと思う。

本来それは母猫の仕事だが、母猫がいなければ母猫の代わりを探すしかない。
だからこそ、威嚇されてもめげずに黒オスを追いかけ、黒オスが居なければ人間の傍にいるのだと思われる。

つまり「寂しい」とは守られている事を感じられない不安感と言う事なのだろう。

そして、威嚇される事を繰り返しながら黒オスとの距離を測り、信頼関係を構築しながら距離を縮めて行く。
恐らく、これが動物本来の距離の縮め方なのだと思う。

これを人間の子供のいじめ問題に重ねて見ると、今の子供達にこれが出来ているのか疑問に思う。