チビ黒が私の膝でコロンコロンしていた。

私が頭を撫でると、撫でて欲しい所に顔を移動して目を細めて気持ち良さそうにしていた。

暫く撫でていると、撫でている手を両前足の肉球で挟み、後ろ足の肉球でケリケリを始めた。

ケリケリと同時に肉球で掴んだ私の手を、カミカミするのだが歯で撫でるようなカミカミ。

そこで思ったのだが、これってお互いに信頼を確認してるのかも?

考えてみると、猫を信じていなければカミカミさせないし、ケリケリもさせない。
本気でやらないと信じているからやらせてる。

猫も爪を出したり歯をつき立てたりしない事で、信頼を得ようとしているのだろうか?

猫からすれば、信頼してない相手に体を触らせれば危険だ。

お互い、信じていなければ出来ない行為だ。

という事は、これはお互いに信頼を確かめ合っている行為なのかもしれない。

今ではやらなくなったが、黒オスや灰猫もチビの頃には散々とやっていた。

やらなくなったのは、確認を必要としない信頼の域に達していると言う事なのだろうか?

最近、私が起きて部屋を出ようとすると、ベッドの下から黒オス、机の下から灰猫、カーテンの後ろからチビ黒が一斉に顔を出し、私と共に3匹揃ってウニャウニャ言いながら揃って部屋を出る。

何だか三匹の猫を従えた桃太郎のような気分だ。

部屋に戻ると、猫達も一緒に戻ってそれぞれ所定の位置へ移動する。

陽が高くなると、私の部屋から出て行き、各々が好きな所へ散って行く。
そして、私が外出する時には、一斉に階段の降り口に駆け寄って来る。

不思議なのは、トイレとか風呂とかで部屋を出る時にも来るのは黒オスだけ。
しかし外出になると3匹揃う。

猫達は、外出と室内移動を聞き分けているようだ。
黒オスは小銭の音が聞こえたら、階段ではなくドアの前で待っている。

恐らく、小銭の音が聞こえたら外出、聞こえなければ室内と判断しているようだ。