FXなどの投資ブログで「バルサラの破産確率表」なるものが散見されたので、
これについて考察してみる。
以下がこのバルサラの破産確率表なのだが、
ほとんどのブログではこの破産確率表を出して、
この破産確率表は金融関係者の間ではとても有名なもので、
一般的には破産確率が1%未満になるような運用を心掛けるとよろしいみたいなことが書いてある。
これが有名なのかどうかや
1%未満が望ましいというその基準の根拠は不明(低いほうが望ましいのは当たり前だが)
だけれど、そもそもこの破産確率表にはつっこみどころが多いと思った。
これは投資でもギャンブルでも同じことだが、
そもそも破産確率はこの2つだけの変数では決定できない。
ギャンブルで考えるなら
①自分の資金(当初資金)
②相手(もしくは胴元)の資金
③勝率
④賭け金
⑤オッズ
の5つの要素が必要だ。
投資なら④は1回の投資額(リミットロス)であり、
⑤を損益率とできる。
為替市場のような巨大なマーケットなら、②は自分の目標額とすればよい。
つまりこの破産確率表が正しいとしても、
おそらく重要な前提が欠落している。
自分の資金がいくらで、いくらずつ賭けて、いくら儲かるまでに、
という前提を決定してはじめて破産確率表なるものが算定できるはずだ。
表では勝率10%での破産確率はすべて100%だが、
1発勝負ならあたりまえだが破産確率は90%だ。
勝率と損益率だけで破産確率が決まる訳がないのである。
勝率と損益率で算定できるのは期待値である。
以前サンクトペテルブルクのパラドックスを紹介 したように期待値プラスなら賭けてOKというわけでもない。
つまりこの破産確率において重要なのは実は表にない、
自分の資金量と投資額、そして目標額というこの表の前提となる「資金管理」の方面のはず。
このもっともらしい表のその「前提」はどういう風に設定されているのでしょうか・・・
(続く)