香織のブルマーバトンタッチ -701ページ目

エスカレーターの片側を空けて乗るのがマナーだと思ってるのは間違いだぁーッ!

 このお話は、香織と心臓に重い障害を抱えてしまった妹が、つい先日に体験してしまった恐ろしい実話です。

 「香織の走って下さい!!」 を頻繁に閲覧して下さる方はご存知のことと思いますが、香織の妹は心臓病で長い間小児病棟に入院しておりました。
 その小児病棟には「髪の毛の抜け落ちた子供」や、「身体中にチューブを挿入されている子供」たちが入院生活を余儀なくされています。

 
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 「内部(心臓)障害・内部疾患」というハンディがこの国ではまだ充分に認識されていません。
 身体に不自由があっても、外観からは判らないため、“自宅で”“電車の中で”“学校で”“職場で”“スーパーで”「辛い、しんどい」と声に出せず我慢している人がいます。
 一般社会にそんな人々の存在を視覚的に示し、理解の第一歩とするため、このハート・プラスマーク は生まれました。
 公共スペースにマークの表示を求め、その存在を示す活動は病名、症状、障害団体の枠を超えて広がっています。

 
 妹は先月、「僧帽弁閉鎖不全症」 (溶連菌感染によるリュウマチ熱の心疾患合併症)という心臓病により「弁置換術」 という、心臓に機械弁を入れる大手術を受けましたが、その機械弁を入れることによって血栓ができやすくなってしまい、その血栓を予防するために「ワーファリン」という血液を固まりにくくする薬を一生涯に渡り飲み続けなければいけなくなり、薬の副作用でちょっとした出血(例えば、擦り傷や打撲、鼻血など)でも血が止まらないという障害を妹は背負ってしまったのです。


 ここからが本題です・・・


 妹は先月末に小児病棟から約9ヵ月ぶりに退院することができたのですが、週に一度、検診のために小児病院まで通院しなければなりません。香織の家からその小児病院まではバスや電車を乗り継ぎ約3時間程のところにあります。心臓に障害を抱えている上に、長い入院生活で体力の落ちている妹には体力的にも精神的にもかなりきついものがあると思われます。


 そんな妹が退院後初めての検診日での出来事。


 小児病院の予約時間は午前10時であったため、どうしても朝の通勤ラッシュを避けられない状況にありました。バスを降りて駅の改札口へと上るエスカレーター に乗ったときのこと、妹はちょっとした転倒でも大事に至ってしまうので、香織は妹を支えるように右側に立ってエスカレータ- に乗っていました。


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 歩いたり走ったりすると身体のバランスを崩します。
 バランスを崩して転倒するなど、大きな事故を引き起こすことがあります。
 また他の利用者を巻き込む恐れもあります。


 みなさんもご存知のことと思いますが、エスカレーターに乗る際に「ステップ左側に立って、右側は人が通れるように空けておく」(関西では左右逆?)といった間違ったマナー が定着しつつあります。案の定、香織の前に乗っていた人々はその「間違ったマナー」を守ってエスカレーター に乗っていましたが、香織は妹がエスカレーター 上を登って来る人に突き飛ばされたりしたら大変と思い、敢えて妹と同じステップ上の右側に妹をガードするかたちで乗っていたのです。

 当然、妹と香織との間には人が通れるような隙間はなく、エスカレーター 上を駆け上がって来る人に突き飛ばされることはないと思っていたのですが、その思いはあっさりと打ち砕かれてしまうのです・・・


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 すり抜けは危険です。
 すり抜けざまに他の利用者や荷物と接触して、思わぬ事故を引き起こすことがあります。


 40代後半のサラリーマン風の男性が突然背後から無言で二人(香織と妹)を突き飛ばしながら中央突破をしかけてきたのです。同時に妹はエスカレーター 上で転倒しそうになりましたが、香織が直ぐに支えることができたので大事には至りませんでしたが、一歩間違えれば妹は大変なことになっていたかもしれません。

 そもそもエスカレーター は静止した状態で乗るものであって、決して「左側によけるように立ち、右側はすり抜ける人達のために空けておかなければならない」ものではないはずです。
 私たちの場合もそうだったのですが、急いでいるときにはエスカレーター を利用せず、直ぐ横にある階段を駆け上がって頂くほうが安全と存じます。


 エスカレーター には、階段を上ることのできない身障者も乗っていることを忘れないようにして頂きたく思うのです・・・。


 「エスカレーターでの間違ったマナー」根絶のために、この記事は香織が管理する全サイト規模でUPしたいと思います。
 みなさんのご協力をお願いしたく思います。


 エスカレーターご利用の際に