禁欲期間がどの程度だと一番質の良い精子ができるかに関して共通のコンセンサスは得られていません。
精液量が多いことが目的ではなく、問題は精子の質です。
禁欲期間と精子の細かい妊娠への影響に関して今年の7月ジュネーブで行われたヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)にて興味深い演題がありましたので紹介します。
今回の研究では禁欲期間により顕微授精の受精率、胚盤胞到達率、着床率、妊娠率を調べています。
2015-2016年にかけて818名の方に検討しました。
禁欲期間が長くなると精液量が上昇し、精子濃度が上昇し、総運動精子数は上昇しました。
精子運動率とは負の相関を示しました。精子形態とは相関を認めませんでした。
その一方、精子DNAのフラグメンテーション(断片化)が上昇し、受精率が低下し、胚盤胞到達率も低下しました。
着床率、妊娠率には特に相関は認めませんでした。
まとめ
禁欲期間が長いことは妊娠に対して負の影響を与えることが示唆されました。
33rd Annual Meeting of ESHRE, Geneva, Switzerland
O-194 The influence of ejaculatory abstinence intervals on semen quality - old concept, new evidences