顕微授精は体外受精よりも受精率が高いためついつい顕微授精を選んでしましますが、どちらが妊娠率が高いかに関しては議論があるところです。
これに関して、今回のESHRE2017にて興味深い演題がありましたので紹介します。
現在顕微授精は男性因子以外にも高齢の方や採卵数が少ない場合や卵巣機能が低下したケースに用いられています。
男性因子が無い場合で、卵巣予備能が低下した群と低下していない群に分けどちらが妊娠率が高くなるかに関して今回の研究では検討しています。
2016年までに報告された25件の研究をレビューしました。
総勢3,583名に対して、1,884周期の体外受精と2,038周期の顕微授精を検討しています。
結果
受精率は顕微授精が有意に高くなりオッズ比は1.43でした。
臨床的妊娠率は両者で同等でオッズ比は0.93でした。
卵巣予備能が低下した患者の場合、体外受精の方が顕微授精よりも妊娠率が上回りオッズ比は0.48でした。受精率は同等で1.19でした。
まとめ
男性因子が無い場合、顕微授精により受精率は上昇しますが妊娠率は同等という結果になりました。
この結果から言えること
男性因子が無い場合には体外受精を選ぶ方が好ましいと言えます。
O-270 Intracytoplasmic sperm injection versus conventional in vitro fertilization for non-male factor infertility and decreased ovarian reserve: a systematic review and meta-analysis
the 33rd Annual Meeting of ESHRE, Geneva, Switzerland 2 to 5 July 2017