顕微授精をしても一向に良い卵ができません。毎回胚盤胞にならず移植までたどり着きません。担当医からは卵子の質が悪いからと言われています。何が原因でしょうか?またどのようにしたら良いでしょうか?
このような質問がありましたのでお答えします。
この場合、受精が本当に正常に適切に行われているか、まずそこから疑うべきです。
正常に受精させることが一番大切なことです。
受精の瞬間に染色体が決まります。
ここがきちんと行われないといくらその前後で努力しても全てが無駄です。
正しい時間に正しい操作で基本に忠実に行うことが大切です。これは簡単なようで実は難しいことです。
同じ精子と卵子を使っても全くグレードの違う胚盤胞ができてきます。
特に顕微授精の場合、培養士や培養室の腕に大きく左右されるところです。
また受精の瞬間をしっかりと評価することも大切です。一見すると受精しているかに思える胚も異常受精のこともあります。これはタイムラプス機能がついているエンブリオスコープでなければ不可能なことです。
受精率が低くなかなか胚盤胞へ発生しない場合には受精障害を疑い、必要があると判断された場合には同じことを繰り返すのではなく卵子の活性化処理を行うべきです。
漫然とただ同じことを繰り返すのではなく、結果を見ながら次回は別のアプローチを検討すべきです。
宜しければ過去の記事も参考にしてください。