排卵日の正確な見方 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

LHが上がった場合、排卵しかけているため、移植するタイミングが早くなると聞きました。

先生方はこの場合正確にはどの様に判断するのでしょうか?
 
この様なご質問がありましたのでお答えします。
 
これは実際の診療でよくある事です。
LHが上がっている場合、トリガーをかけるか、トリガー無しにするかを先ず考えます。
(トリガーとはスプレキュアを用いて排卵を促す事を言います)
その次に排卵日がいつになるか、いつにするか、を考えます。
具体的には以下の様に判断しています。
 
 

LH            P4          トリガー        排卵日

LH<10     P4<1.0  夜にトリガーして2日後排卵日

LH 10-20  P4<1.0  夜にトリガーして2日後排卵日

LH 20-35  P4<1.0  すぐにトリガーして1日後排卵日

LH 35以上 P4<1.0  トリガーなしで1日後排卵日

 

これは一つの判断基準で、あとは生理周期、今までの排卵の経過やE2の値、そして卵胞のサイズなどを総合的に判断して排卵日を決ます。

 

迷う場合には翌日にも再度エコーとE2,LH,P4を測定し正確な診断をつけるようにします。