クロミッドで排卵しません。どうすれば良いでしょうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

生理周期が不順で2ヶ月から3ヶ月位です。先生からはクロミッドで排卵させましょうと言われ内服しましたが排卵しませんでした。PCOS気味と言われました。選択肢として採卵も勧められました。今後はどうしたら良いでしょうか?

この様なご質問がありましたのでお答えします。

PCOSの場合排卵しにくいためクロミッドで反応しないことがあります。
この場合には選択肢としてゴナールエフで50IUの低用量から連日自己注射で卵胞を育てていくことがお勧めです。1週間毎に少しずつ量をあげて慎重に一つか二つの卵胞を育てることを目指します。この方法は保険も通り効果的です。

ゴナールエフで卵胞が育たない場合には腹腔鏡手術でドリリングをお勧めします。卵巣の表面に30箇所くらい小さい穴を開け卵子が排卵しやすくします。ただしドリリングは効果が1年程度のためあまり長い間は効果が続きません。

それでも妊娠に至らない場合体外受精を選択することも一つの方法となります。
本来排卵障害は排卵させれば良いため体外受精の適応にはなりませんが、排卵が起きない場合や反対に多数の卵胞が育ちキャンセルが続くことのストレスも考えると、体外受精を選択しても良いケースはあります。この辺りは主治医の先生とよく相談されると良いかと思います。