たくさん育ちましたが3個しか胚盤胞になりませんでした。育ち過ぎは良くないのでしょうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

36歳2人目不妊です。海外で治療をしています。ゴナールエフで誘発刺激し15個採卵し胚盤胞まで育ったのは3つです。ゴナールエフを使用しかなり誘発しましたが卵子が15個育つも受精数が少なく3個しか胚盤胞になりませんでした。お腹が張り副作用も気になりましたが、質の良い卵が少なかったのではないだろうか?と思いますがいかがでしょうか。

この様なご質問がありましたのでお答えします。

日本と比較し海外の場合(特にアメリカは)刺激の量がかなり多くなります。1日2回朝夕に注射をする場合もあります。トータルの刺激量が日本よりも2倍、3倍と多くなるケースがあります。その結果として採卵数もかなり多くなります。

今回のケースの刺激方法、受精や培養環境の詳細がわからないためお答えすることは難しいですが、一般的にとれる卵子数が多くなると分母が増えるため、その結果として良好胚ができる可能性が上がります。そのため自然周期や低刺激よりは刺激周期の方が有意に妊娠率が高くなります。
ただ刺激が強すぎて、とれる数が多すぎると、良好胚が少なくなることがあります。何事もそうですが「過ぎたるは、、、」ということになります。

また刺激しすぎるとOHSSのリスクも上がります。

AMHが3〜5位あり、ある程度とれる方の場合、刺激量をコントロールして採卵数を10〜15個位にとどめる事が好ましいかと思います。


過去の記事も参考にしてください。

妊娠率を高める至適採卵数は