未熟卵はいつわかるか?未熟卵を治療に用いることはどうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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採卵して未熟卵かもと言われました。

未熟卵であることはどの時点でわかるのでしょうか?

また未熟卵の場合治療に用いることは可能でしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

採卵直後でも未熟卵かどうかはある程度は推定できます。

卵子を顕微鏡で拡大して第一極体放出や卵子の核の状態をある程度は見ることができます。

ただ取れた卵子が未熟かどうかは、卵子の周りにある顆粒膜細胞をはずさないとわかりません。

顆粒膜細胞を外すのは顕微授精をする直前のため、大体午後の1時から3時くらいになります。

この段階で成熟卵、未熟卵と判別することができます。

 

 

未熟卵を採卵して受精卵を作る方法ですが、治療の王道はあくまで成熟卵を採卵し受精させて良好胚を作り移植する事です。

 

もちろん未熟卵も体外培養で成熟させることでその一部は妊娠まで至りますが、その確率はかなり低くなり最初から未熟卵を狙う方法はお勧めしません。

刺激して成熟卵をとるという正攻法があるのに、あえて未熟卵を採りにいくという理由がありません。

 

PCOS 等でOHSS 予防のために未熟卵を採卵して、、、などという特殊な場合でなければ、あくまで治療の正攻法は、成熟卵をいかに多く採卵するか、ということになります。

 

なお、卵胞のサイズにばらつきがあり、大きい卵胞を採卵して小さい卵胞がある場合には、小さい卵胞は採卵せずに、高温期に刺激をして体内で育てていくDuoStimは成熟卵が多数育てられるためお勧めの方法です。