33歳で胚盤胞で妊娠しません | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

33歳です。良好胚盤胞を3回移植しましたが全くかすりもしませんでした。凍結胚がないため医師からはまた採卵して移植をし続けましょうと言われました。卵の質の問題なので続けていれば妊娠しますとのことでした。自分としては何か他に原因があるのではと思います。何かよい方法などありますでしょうか?

 

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 

33歳で良好胚盤胞を移植しても全くhCGが出ないケースは、胚そのものに原因があるのではなく、胚以外にいくつかの原因があることが考えられます。

 

子宮内膜ポリープ、子宮粘膜下筋腫、卵管水腫、腹腔内卵管内の慢性炎症、卵管周囲の癒着などが原因としてあげられます。

近年では着床の窓のずれも原因としてわかってきています。

 

妊娠するためには形態良好胚盤胞を子宮内に正確に移植する必要があります。

子宮、卵管、腹腔内の環境が胚を受け入れることができる状態になっている必要があります。

 

今お勧めの検査としては子宮鏡検査、腹腔鏡検査、ERA検査となります。(ERAの動画)

これらの検査はいずれもお勧めの検査です。

 

特に腹腔鏡検査は検査だけではなく、異常があればその場で完全に治療ができるという最大のメリットがあります。

妊娠しない多くの方の腹腔内に大量の生理の逆流血が溜まっていることがありますが、それらも全て取り除くことができます。

そして腹腔内、卵管内、子宮内を大量の生理食塩水で洗浄することもとても大きなメリットとなります。洗浄により難治性の慢性炎症も治りやすくなります。

 

ERA検査も反復不成功の方の3割近くの方に着床時期のずれがあることがわかっています。

 

移植を繰り返すことはやめて、これらの検査をしてから移植に移ることをお勧めします。