何も異常がないのに腹腔鏡検査をする理由が理解できません | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

31歳で結婚して2年間一度も妊娠しません。旦那さんの精子は普通でした。性交渉も排卵日に合わせてしっかりと出来ています。前の病院で卵管造影検査は右が少し狭いもののほぼ正常といわれました。

転院して担当医から腹腔鏡検査を勧められましたが、旦那は「何も異常がないのに腹腔鏡検査をする理由が理解できない」と言って反対しています。私としては妊娠しないしない原因がわかるのならば検査を受けたいと思いますが、どうしたら良いでしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

これはよくある質問であり、旦那様の気持ちはよく理解できます。

ただ原因が無ければすでに妊娠しています。

30代前半であれば、性交渉が通常にできるのであれば1年以内に8割以上妊娠してきます。

腹腔鏡検査をする理由ですが、「妊娠しないということ」が腹腔鏡検査をする最大の理由です。

 

人の生殖において卵巣から排卵した卵子が卵管に取り込まれる個所が最も弱点となります。

排卵した卵子は一度腹腔内に出てそのあと卵管へ入ります。

あえて妊娠しずらくしているのではないかとも思えます。

もしここに何らかの癒着やひきつれがあればそれだけで卵管に取り込まれる確率は激減します。

 

この弱点をクラミジアなどの感染源が攻撃して妊娠させなくしてしまします。

腹腔鏡検査をするとすぐに判明しその場で容易に、完全に治すことができます。

 

周りが妊娠していく中でどうして自分だけが、、、という気持ちが強いと思います。

旦那様はぜひオペを受けることを後押しして欲しいと思います。

オペは不安で辛いことかもしれませんが、ここは逃げずに頑張って腹腔鏡検査を受けることをお勧めします。