凍結胚を先に作るべき | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

移植をすべきか、それとも先に凍結胚を作っておくべきか、ここは迷うところです。

妊娠を早くしたいため移植を先にしたい気持ちは良く理解できます。

移植をしなければ妊娠は遅くなり、年齢も上がり焦るかと思います。

 

ただ、年齢を重ねてから採卵をすることは今より良い卵が取れる可能性は下がります。

今は焦るかと思いますが、戦略を立てて先に凍結胚を作るべきです。

来月よりも、再来月よりも、今が一番良い胚ができる可能性が高くなります。

年齢を重ねるほど卵子の質と量は低下していきます。

この原則は万人に当てはまることです。

 

そして大変悲しいことですが、流産は避けられないことであり、若い方でも年齢を問わず起きてきます。

流産すると次の治療まで3か月、4か月と間が空きます。その間に年齢が上がります。

精神的なダメージも相当高くなり、治療の再開が1年くらいかかることもあります。

 

そして二人目の問題があります。

一人目でこんなに苦戦しているのにそこまで考える余裕がないと言うかもしれません。

ただほとんどの方が一人目が生まれると、二人目を希望して来院します。

これは親として当然のことであり、兄弟を作ってあげたい、ものすごくかわいい、男の子なら次は女の子が欲しい、自分が兄弟がいたから兄弟がいた方が良い、、、

もちろんそこで採卵をしても若い方であれば可能性がありますが、高齢になってからの採卵となると一人目の時と卵子の質が異なります。

先を読んで、二人目も視野に入れて、今のうちに良い胚を凍結しておくべきです。