PGT-A (PGS) を行う事で染色体数の正常な胚を移植することが出来ます。
それにより染色体の数的な異常による流産を避ける事ができます。
また妊娠率や出産率を有意に上げる事が可能になります。
ただ、PGT-Aには以下にあげる問題点があります。
①正常な胚を生検することにより傷つける可能性がある
②モザイクの問題
③診断の不確かさ(解析技術の限界)
偽陽性、偽陰性に関して
④胚自身の自己修復力
もう一つ考えるべきこととして、「染色体が正常な胚を作れるかどうか」、これはその施設の技術力そのものになります。
「PGT-Aの検査をしましたが全ての胚が異常でした」
これでは「PGT-Aを行う意味が無いのでは?」と患者さんに思われても仕方がありません。
またそもそも移植の技術が伴わなければ全てが無駄になります。
そして、PGT-Aが頻繁に行われている欧米の論文や学会ではPGT-Aの先を議論しています。
腹腔内、卵管内、子宮内に着床を阻害する因子があればいくらPGT-Aを行った胚を移植しても妊娠しません。
正常胚を移植しても結果が出無い場合には、着床の窓のずれ、腹腔内や卵管内や子宮内の炎症を考慮すべきです。
散々いろいろな検査をして結局は卵管水腫で妊娠しなかったという事が多く有ります。