採卵しやすくするために腹腔鏡手術を受けることは? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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卵巣嚢腫があります。また癒着があり採卵がしにくいと言われています。主治医から腹腔鏡手術をして採卵しやすくしましょうと言われました。いかがでしょうか?

この様なご質問がありましたのでお答えします。

これは良い方法だと思います。
腹腔鏡手術をすることで卵巣嚢腫を摘出することができて採卵しやすくなります。
卵巣嚢腫があるとどうしても嚢腫を刺さない様に採卵をするため、嚢腫の真下にある卵胞はさせないケースもあります。

また癒着剥離をすることで卵巣の位置を正常の位置に戻すことができ、その結果として採卵しやすくなります。
同時に採卵の際の痛みもかなり軽減します。深い位置の卵巣を刺すことはリスクも大きいですが、オペで位置を戻すことで採卵のリスクも減ります。

また卵巣嚢腫がなくなることで物理的に卵胞の育つスペースが増えるため、卵胞の育ちも良くなり採卵数が増えます。

腹腔鏡の手術を受けると卵巣にメスが入るからAMHが、、、と説明する先生もいるかと思いますが、オペはあくまで病気である嚢腫をとるだけであり卵巣そのものは残します。